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大規模な経済変調は中国をどう揺るがすか?

政乱や動乱の引き金を引きかねない「世界金融崩壊」

  • 谷口徹也

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2008年9月18日(木)

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 「これって、もうダメじゃないの?」

 頭を殴られたような衝撃を受け、直感的にそう思ったのはちょうど3年前、2005年9月のことだった。

 日経ビジネスの2005年10月17日号特集「津波経済――世界一蓮托生バブルが弾ける時」。日米中3極の記者が共同執筆し、「景気は踊り場を脱却した」という政府の見解に疑問を投げかける経済リポートに、香港駐在記者として参加していた。衝撃を受けたのは地球の裏側、ニューヨーク支局から届いた原稿のゲラを読んだ時だ。

予見可能なことに対処できないのがバブルの怖さ

 米国の住宅ブームを牽引し、消費ブームを演出していた「インタレストオンリー(金利だけ)ローン」や「変動金利型ローンのオプション付き(オプションARM)」などのカラクリを実例を交えて克明に解説していた。不動産の値上がりを前提とした錬金術であるとしか思えなかった。

 これらのローンが暴走し、本来なら貸付先にならない低所得者層まで巻き込んでいったのが俗に言うサブプライムローン問題である。世界的なカネ余りが続くうちは宴が続くが、一度足を踏み外せば、すべてが逆回転を始めて致命的な金融危機に陥る――。

 果たして、その直感は3年後に現実のものになった。

 資金を供給していた米住宅公社が政府の管理下に置かれたのに続く、証券大手リーマン・ブラザーズの破綻。そしてメリルリンチが身売りに追い込まれ、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)も米政府の管理下に入ることになった。増幅され、世界経済を揺るがす金融不安は十分に予見可能で、傷を深める前に対処できたはずだと思うのだが、それがバブルというものの怖さなのだろう。

 こうした世界経済の大きな流れを見る時、2001年にニューヨークで起こった「9・11テロ」を1つの起点にしている。経済への打撃を抑えるための金融緩和策が世界的な「カネ余り現象」を招いた。今回の米国発金融不安はその帰結点の1つである。

金融緩和策で見失った「ならず者国家」という一面

 もう1つ、金融緩和策によってもたらされた民主主義先進国の「痛恨」は、中国の台頭を許したことだろう。

 基軸通貨にあぐらをかいた米国の消費拡大が輸入を拡大し、「世界の工場」として存在感を示し始めていた中国への投資を誘発した。そして中国でカネが回り始めると「有望市場」だともてはやし、内需目当ての外資が次々と進出する――。この過程については、日経ビジネス2005年1月17日号特集「ここまで来た中国バブル――調整ショックに備えはあるか」で自分なりに分析した。

 消費するモノの供給基地として、あるいは、作ったモノの売り先として、人口大国である中国は都合の良い存在であったことは分かる。しかし、その過程で民主主義先進国は大切なものを失ってしまった。中国の「ならず者国家」としての一面に目をつぶったからである。

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