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AIGはなぜ破綻の危機に陥ったのか

「保険の基本」を忘れた事業展開

2008年9月19日(金)

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Nanette Byrnes (BusinessWeek誌シニアライター、ニューヨーク)
米国時間2008年9月16日更新 「The Unraveling of AIG

 保険会社はリスクの専門家だ。リスクを理解して最小化し、またそうしたリスクを補うべく値段を付ける。しかし、世界最大の保険会社である米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG、本社:ニューヨーク)は、自社が抱えるリスクにはあまりに無頓着だったようだ。

 AIGは今や、信用市場崩壊の新たな犠牲者として注目の的になり、住宅ローン担保証券(MBS)などの取引による損失拡大の泥沼化にあえいでいる。

 9月15日、AIGの経営陣はこうした損失を穴埋めするため、政府筋やほかの金融機関などの支援先を必死に探し回った。過去1年間の最高値で70ドルをつけたこともあるAIGの株価は、結局4.76ドルまで落ち込んでこの日の取引を終えた。わずか1年足らずで、時価総額にして1760億ドルもの資本が消えたことになる。当局が破綻回避へ向けた資本注入手段探しに急ぐ中で、格付け機関による相次ぐ信用格下げにより、AIGの資金調達は一層厳しさを増すことになった。

 昨年度は1100億ドルの収益を上げ、資産1兆ドルを誇るAIGが、今では生き残りをかけてもがいている。業界トップ企業の突然の転落に、従業員や顧客、多くの業界関係者が衝撃を受けている。

 「こんな短期間にこれほど急変するとは信じ難い」と、保険業界ニュースレターの米シフズ・インシュランス・オブザーバーの編集長で、長年AIGに対し批判的な立場を取っているデビッド・シフ氏は言う。

 さらに驚くべきは、同社が支払い義務を果たすために必要な資本の推定額が増加し続けていることだ。「恐ろしいことだ。表面化していないだけで、金融業界には同じような危機に瀕している企業がほかにもたくさん潜んでいるかもしれない」(シフ氏)。

ニューヨーク州知事が救済策を実施

 確かに、一体どれほどの資金を注入すれば、AIGがこの苦境を脱し、世界を代表する保険会社として存続することができるのかは不明だ。AIGは今年5月、新株や社債の発行により200億ドルの資本増強を行ったが、それでも不十分だった。

 9月15日、AIGには新たに200億ドルの資本金の利用が認められた。デビッド・パターソン米ニューヨーク州知事が保険規制を緩和し、子会社の資金の利用を承認するという思い切った措置を講じたのだ。

 だがそれでも十分とは言えない。パターソン知事は、ニューヨーク州の措置が呼び水となり、連邦政府が直接支援するかほかの企業に支援を要請するなどして、もっと大規模な解決策を打ち出してくれることを期待すると語った。

 数時間後には、米連邦準備理事会(FRB)が米ゴールドマン・サックス(GS)と米JPモルガン・チェース(JPM)に対し、AIGへの700億~750億ドルの融資を要請したと米ウォールストリート・ジャーナル紙が報じた。それでも十分かどうかは分からない。

 「簡単に言えば、実態を理解しないままにサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)関連証券のリスクを取り過ぎたということだ。とはいえ誰もそのリスクを本当に理解などしていないだろう。分かっていると言っても、それは口先だけだ」と、米調査会社グラディエント・アナリティクス(本社:アリゾナ州スコッツデール)のアナリスト、ドン・ビッカリー氏は言う。同氏は2月からAIGに対する懸念をリポートで述べてきた。

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