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【第100回】「共産主義」も「社会主義」も、もとを正せば中国が日本から導入した言葉

日中関係が「一衣帯水」であることの意味するもの

2008年9月26日(金)

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 日経ビジネスオンライン(NBonline)が2006年4月にスタートした時点から掲載を始めた本稿「中国・キタムラリポート」は、今回でめでたく第100回目を迎えることができました。これもひとえに読者の皆様の温かいご支持ならびにNBonline編集部の激励の賜物であり、衷心より御礼申し上げる次第です。第100回目は節目に過ぎませんので、本リポートは今後も継続する所存です。今後とも引き続きご愛読賜りますとともに、本リポートに対するご意見・ご感想をお教えいただければ幸甚です。

褒めるべきは褒め、批判すべきは批判す

 さて、2006年4月に「中国・キタムラリポート」の執筆を始めてから、原則毎週金曜日に掲載する本リポートに対して多数の読者からコメントを頂戴しましたが、2006年5月頃から12月末までの7カ月間は、恐らく中国人の読者からと思われる、筆者の中国に対する辛口の見解を非難するコメントが数多く寄せられました。こうした非難に応えるべく執筆したのが、2007年1月12日付の「私が中国に対して“辛口”なわけ 」でした。このリポートの中で、筆者は自分と中国との関わりを紹介すると同時に、次のように述べました。

 日中両国が本当の意味で交流して行くには、何と言っても、両国民が相互理解を深めることが先決である。中国国内の現状から、筆者のリポートは常に辛口にならざるを得ない状況にあるが、その基本は、「褒めるべきは褒め、批判すべきは批判す」という視点に立っている積もりである。

 このリポートが掲載された後は中国人読者からと思われる非難のコメントは急激に少なくなりましたので、恐らく筆者が「中国・キタムラリポート」を執筆する意図を理解してくれたものと思います。ただし、この半年ほどは、読者アンケートの「参考にならなかった」を何十回も立て続けに送信し続ける人がおられるようで、無言の非難は今も続いています。

日中友好の常套句「一衣帯水の関係」

 ところで、日本と中国は「一衣帯水の関係」であると言われています。「一衣帯水」を広辞苑で引くと、「一筋の帯のような狭い川・海。その狭い川や海峡をへだてて近接していることをいう」とあります。1972年9月29日に中国・北京で、当時の田中角栄首相と周恩来総理によって「日本国政府と中華人民共和国の共同声明」(日中共同声明)が調印されて、日中両国の国交が回復しました。

 この「一衣帯水」という言葉は、国交が回復して日中両国の交流が始まった頃から盛んに使われるようになりました。言葉そのものが中国の歴史書である「陳書 後主紀」(唐の歴史家の姚思廉が636年に編纂した、南北朝時代<439~589年>の陳国について記した歴史書)が出典であり、恐らく中国側が使い始めたものと思われます。

 日本の代表団が中国で歓送迎の式典や宴会に出席すると、中国側代表の歓送の辞には必ず「中日両国は一衣帯水の関係にあり」という言葉が含まれていました。そうこうするうちに、日本側代表の答礼の辞にも「一衣帯水の関係」が含まれるようになり、中国の代表団が訪日しても日中双方の代表発言には「一衣帯水の関係」が必ずと言ってよいほど含まれるようになったのです。

 そうなると「一衣帯水の関係」は完全に儀礼的な言葉として定着し、日中国交回復から既に36年を経た現在も、依然として日中両国の関係を表す言葉として位置づけられています。

ただのお隣さん!?

 ここで問題なのは、多くの日本人がこの「一衣帯水」をあたかも日中友好を象徴する言葉だと誤解していることです。馬鹿の一つ覚えで、「一衣帯水の関係」という言葉を使えば日中友好を表現していると思い込んでいる人が多いのです。

コメント24件コメント/レビュー

毎回、欠かさず読ませていただいていますが、もう、連載100回になるなんて驚きです。おかげさまで中国に対する私の知識もかなり増えました。私はヨーロッパの小国に住んでいて、某サイトでささやかながらこの国の記事を発信していますが、著者の姿勢に共感を抱きます。辛口ながら内部を知る側からの愛情こもった内容で、他の中国関連の記事(遠藤誉氏の記事除く)には見られない中身のある記事だと思います。今後も楽しみにしています。(2008/09/29)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「【第100回】「共産主義」も「社会主義」も、もとを正せば中国が日本から導入した言葉」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

毎回、欠かさず読ませていただいていますが、もう、連載100回になるなんて驚きです。おかげさまで中国に対する私の知識もかなり増えました。私はヨーロッパの小国に住んでいて、某サイトでささやかながらこの国の記事を発信していますが、著者の姿勢に共感を抱きます。辛口ながら内部を知る側からの愛情こもった内容で、他の中国関連の記事(遠藤誉氏の記事除く)には見られない中身のある記事だと思います。今後も楽しみにしています。(2008/09/29)

あなたは一体何様のつもりですか?  あなたの経済や地域の記事で誰の観点に立った記事を書くかは、ジャーナリストとしてのあなたの専権事項ですが。誰もあなたにそれぞれ各回の話題でだれに正義があるのかをお尋ねしている訳ではないですよ。(2008/09/27)

私は、中国人でもなければ、中国の政治体制を支持する者でもありませんが、キタムラ氏の執筆姿勢にはいつも賛同しかねています。「批判すべきは批判する」はできていても、「褒めるべきは褒め」の要素があまりに少なく、いつも中国の揚げ足とりのように感じるからです。端的に言えば、読んでいて幸せな気分になれないのです。辛口でもいい、でも、もっと読者を幸せな気分にさせてくれる視点での執筆を期待しています。(2008/09/27)

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