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アジアの金融機関、ウォール街衝撃を乗り越える

ただし、「輸出依存」国は経済成長の鈍化を懸念

2008年10月3日(金)

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Frederik Balfour (BusinessWeek誌アジア特派員、香港)
米国時間2008年9月26日更新 「Asia Banks Dodge the Wall Street Crisis

 その光景は、1997年のアジア金融危機に不気味なほど似ていた。9月24日、香港の地場大手銀行、東亜銀行(バンク・オブ・イーストアジア)の各支店前には長蛇の列ができた。ウォール街危機へのエクスポージャーが大きいため経営危機に瀕しているとの噂が、前日から携帯電話のメールを通じて流れ、パニックに陥った預金者が押し寄せたのだ。同行の株価は6.9%下落した。

 これに対し同行は、記者会見で経営危機説を否定。風説を流布した者には訴訟も辞さない構えを見せた。これを受け、取り付け騒ぎはわずか24時間で収束した。

 また、李嘉誠(リ・カシン)氏をはじめとする香港の大富豪は同行の株式を大量に購入。東亜銀の信用回復に貢献した。香港金融管理局(HKMA)が同行の財務状況は良好であると太鼓判を押したことも事態の収拾を後押しした。

 皮肉なことに、実際にはその多くの経営状態がかなり良好であるにもかかわらず、アジアの金融機関の経営状態に対する懸念が巷に広がっている。例外的に経営状態が悪いのは、英HSBC(HBC)。ロンドンに本拠を置くが香港市場に上場する同行は、米住宅ローン関連資産を多く抱えており、米金融危機の影響をまともに受けている。

 その他のアジアの金融機関は、経営難に陥った米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ、FNM)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック、FRE)、また米リーマン・ブラザーズへのエクスポージャーがごく限られていたおかげで、経営は安定しているようだ。実際、多くのアナリストが香港やシンガポール、韓国の金融機関の株式を買い推奨している。

 ここで、英スタンダード・チャータード銀行(SCB、STAN.L)の例を見てみよう。同行に大注目しているのは、仏クレディ・アグリコルの子会社、CLSAアジア・パシフィック・マーケッツ(本社:香港)のアジア銀行調査部門の責任者ダニエル・タブッシュ氏だ。SCBはHSBC同様、ロンドンに本拠を置くものの、手がける事業はアジア関連がほとんどだ。だが、規模では及ばないライバルのHSBCとは異なり、同行の英米におけるローン関連資産へのエクスポージャーはわずかだ。HSBCが約8960億ドル(約95兆円)の米国のローン関連資産を抱える一方、SCBの保有する同資産は210億ドル(約2兆2000億円)に過ぎない。

 「SCBは(ローンへの)エクスポージャーが小さいので安心だ」とタブッシュ氏は言う。しかも、同行の過去1年半の利益成長率は25%以上に達する。

 対照的に、HSBCは不良債権をはじめとする資産の時価評価による評価損を数十億ドル追加計上することになる可能性もある。同行は既に、150億ドル(約1兆6000億円)の評価損を計上している。

タイとシンガポールの金融機関も好調

 シンガポールの金融機関も嵐をうまくしのげそうだ。アジアの金融機関は欧米の金融機関と不当に同一視されていると指摘するのはスティーブン・ドチャーティ氏。同氏は、英アバディーン・アセット・マネジメント(本社:エジンバラ)の世界株式部門を率いている。

 シンガポールの大華銀行(UOB、UOBH.SI)と華僑銀行(OCBC.SI)の株価は、それぞれ15%と18%下落したが、両行とも「経営は健全で、自己資本比率も高い。実績を見てもよく資本を維持している」とドチャーティ氏は語る。ローン需要が十分にあるため、両行は利益目的で債務担保証券(CDO)のような「パッケージ化された既成商品に手を出す」必要性がなかった。

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