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粉ミルク汚染問題、中国乳製品業界が大揺れ

メラミン混入事件で酪農家や卸売業者の被害が深刻化

2008年10月3日(金)

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Chi-Chu Tschang (BusinessWeek誌、北京支局記者)
米国時間2008年9月26日更新 「Contaminated Milk Sours China's Dairy Business

 農業と出稼ぎで生計を立てるドン・リーチョンさんにとって、酪農業は工場での出稼ぎ労働から脱却できる“恵み”をもたらしてくれるはずだった。だがその夢は粉ミルク汚染問題で無惨に打ち砕かれた。中国の乳製品製造業界で第3位の三鹿集団の粉ミルクに、合成樹脂の材料に使われる化学物質メラミンが混入。これを飲んだ乳児が腎臓結石を発症した事件が明らかとなった。これまでに乳幼児4人が死亡、少なくとも5万3000人が汚染ミルク摂取による健康被害に遭っている。

 中国国内の乳製品市場の半分近くを占める大手4社は、出荷した製品を回収。既にフランス、インド、韓国など20カ国以上が、中国製の乳製品及び粉乳を含む菓子類の輸入を禁止している。「大変な損害だ。乳製品の信頼回復には1~2年はかかるだろう」と、中国農業大学食品科学栄養科学院の羅雲波(ルオ・ユンボ)院長は危機感を募らせる。

 河北省トンイエ村にある集乳所では、搾乳のピークを迎える9月14日に牛乳の買い取りを中止した。酪農家は今も集乳所で搾乳を続けているが、現在は持ち帰って自家消費するか、「キャベツにやる」(キャベツ畑に撒いて捨てる)しかない。

 ドンさんの試算によると、トウモロコシや生草など乳牛20頭の飼料代で、既に昨年の年収の4分の1に当たる1461ドル(約16万円)の損失が出ている。これを上回る損害を被っている近隣の同業者もいる。「買い取りが再開されないと、近く多数の乳牛が処分されることになるだろう」

乳製品の需要急増に追いつかない供給

 中国では、過去5000年間、牛乳を飲む習慣がなかった。ところがここ30年で国が豊かになるにつれ、国内の乳製品業界は急成長している。こうした時代の流れで最大の恩恵を受けたのが、国内2大乳製品メーカーの蒙牛乳業内蒙古伊利実業集団(伊利)だった。一方で、酪農家から集乳所経営者、牛乳流通業者まで、多数の起業家が一山当てようと市場に参入。競争激化に伴い、結果を考えることなく、手抜きをして手っ取り早く儲けを狙う者が現れた。

 蒙牛と伊利は瞬く間に規模を拡大し、特に4年前に蒙牛が香港で上場した後は、牛乳の需要急増に供給量が追いつくのがやっとだった。今年の国内牛乳消費量は2500万トンに達する見込みで、乳製品市場はフランスやドイツを上回る規模となっている(オランダの会計・コンサルティング大手KPMGの推定による)。

 生乳増産のため、蒙牛と伊利は拠点とする中国北部・内モンゴル自治区以外の地域にも生産施設を設立した。当然のことながら、品質問題のほとんどは、生乳の獲得競争が最も熾烈な河北省と内モンゴル自治区で起きている。

 河北省の酪農家の多くは、昔から地元大手の三鹿が設立した集乳所に牛乳を卸していた。ところが近年になって、こうした既存の集乳所の隣に、蒙牛と伊利のために生乳を買い取る個人経営の集乳所が現れ始めた。これら業者は高めの価格を提示して生乳を手に入れていた。

 「これは掟破りの行為。買い取り業者が生乳を奪い合う中で品質が低下していった」と、黒竜江省に中国の営業拠点を持つ米国の粉ミルク会社アメリカン・デイリー(ADY、本社:カリフォルニア州サンマリノ)のロジャー・リウ副会長は指摘する。

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