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2008年10月6日(月)

ウォール街危機に対する一般市民の怒り

経営者を救済する金融安定化策に憤慨

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Susan Berfield (BusinessWeek誌、アソシエートエディター)
2008年10月6日発行号カバーストーリー 「Main Street's Rage at the Financial Crisis

 米ペンシルベニア州アレンタウンはある意味、米国の平凡な都市の典型だ。ほかの全米中の都市や町と同様、自分たちの力ではどうしようもないように思える経済の変動に振り回されている。

 産業は移転し、雇用は流出。多くの住民は、かつて栄華を誇った米鉄鋼大手ベスレヘム・スチールが衰退の一途をたどっていった1980年代、苦闘するアレンタウンの住民に向けられたビリー・ジョエルの歌「アレンタウン」の歌詞を思い出し、ため息をつくばかりだ。

 「どんな子供にもチャンスはあった。少なくとも親と同じ程度の人生は送れるはずだった。でも途中でなぜか歯車が狂ってしまった」

 その後、アレンタウンは姿を変えてきた。アレンタウン最大の雇用主である米医療事業者リーハイバレー・ホスピタル・アンド・ヘルス・ネットワーク(LVHHN)は躍進中だ。また、当局は税制優遇措置で地元に企業を誘致している。さらに、少数の実業家グループは中心街に活気を取り戻そうと、以前ハロルド家具店だった古い建物を改装し、4フロアで400人収容のビアレストラン、アレンタウン・ブリュー・ワークスを1年前に開店した。

多くの市民は国の施策の優先順位が狂っていると感じている

 だが最近、いまやおなじみの経済不安が人々の生活に忍び寄ってきた。一部の小売業者は従業員の就業時間の短縮を始めている。また、米トラック大手マック・トラックスは8月、1世紀にわたってアレンタウンに置かれてきた本社を、米ノースカロライナ州グリーンズボロに移転する計画を発表した。

 9月23日の地元モーニング・コール紙の1面は、7000億ドル(約74兆円)に上る政府の金融安定化策の詳細を伝えるものではなかった(1面は、教職員ストライキの終了を伝える記事だった)。

 だが、人々が金融安定化策を気にしていないわけではない。時には、その憤りが徒労感やあきらめによって鈍ることもあるが、アレンタウンの住民の多くは、政府の救済策に憤りを感じている。その人々の怒りの矛先は、ワシントンよりもむしろ、ウォール街の金融機関に向いている。

 「人々は、金融機関の経営陣が納税者の背中を踏みつけて億万長者になっていると考えている」と、アレンタウンのエド・ポロウスキー市長(民主党)は語る。多くの市民は国の施策の優先順位が狂っていると感じており、次の世代の暮らしむきに不安を抱いている。

「ウォール街のCEO連中は間違った判断をしたくせに…」

 米小売大手ウォルマート・ストアーズ(WMT)のスーパーセンター2641号店で、食料品の品定めをしていたブレット・スラックさん(32歳)に話を聞いた。スラックさんは、塗料弾を撃ち合うサバイバルゲーム形式のスポーツ「ペイントボール」の遊戯施設、リーハイバレー・ペイントボールの共同オーナーである。この日は、妻が蘭ロイヤルアホールド傘下のスーパー、ジャイアント・フードのレジ係のパート仕事に出かけたため、2歳の娘を連れて買い物に来ていた。

 スラックさんはこの店のほかの大勢の買い物客と同様、何もしなければ結果ははるかに悪くなるだろうとの思いから、政府が介入するのは仕方がないと考えている。それは納得する。スラックさんは米金融システム安定化のために税金を投入することは理解できる。だが、それらの会社(アレンタウンの人々は誰も個別の企業名は挙げなかった)の経営陣もツケを払うべきだと考えている。

 「政府はそうしたCEO(最高経営責任者)の責任を追及すべきだ。私も経営者だが、もし事業に失敗したら、銀行は私に責任を全うするよう迫るだろう。ウォール街のCEO連中は間違った判断をしたくせに、政府が救済してくれると考えた。彼らがホームレスになっても、一向に構わない。億万長者である資格はない」

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