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中国経済、急減速の兆し

金融危機の“大津波”がついに押し寄せる

2008年10月10日(金)

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Frederik Balfour (BusinessWeek誌アジア特派員、香港)
米国時間2008年10月2日更新 「China's Economy Sputters

 10月1日の国慶節(建国記念日)を祝う“黄金周(ゴールデンウイーク)”は、中国人が毎年楽しみにしている時期だ。だが、この1週間の連休も明け、晴れ晴れとした気分はすっかり吹き飛んでいるに違いない。

 世界各国が金融危機に苦しむ中、中国も少なからぬ問題を抱えている(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年9月24日「上海株式市場、下落続くも怖れなし」)。不動産市場は暴落を続け、株価も60%近く値下がりしている。破竹の勢いを誇った中国経済にブレーキがかかり始めた証拠は随所に見られる。

 10月2日にも中国製造業部門の景況感の悪化を示す新たな証拠が発表された。仏クレディ・アグリコルの子会社、CLSAアジア・パシフィック・マーケッツ(本社:香港)が発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は、新規受注が2004年6月に月次調査が開始されて以来最大の落ち込みを見せ、47.7へ低下。拡大と縮小の分岐点を示す50を割り込んだ。

 「米国で発生した金融危機という“大津波”が世界中を飲み込み、中国にも達しつつある。中国国内だけで事業を行う製造業者は、最悪の事態に備える必要がある」と、香港の経済団体である香港総商会の方志偉(アレックス・フォン)総裁は警告する。

 心配なのは、PMIがこれで3カ月連続の低下となり、国内外の需要の低迷傾向を示している点だ。PMIは、中国の製造業者400社を対象に、毎月、前月との事業状況の変化に関するアンケートを実施し、その結果に基づいて算出されるもので、経済統計の信憑性が疑問視されることが多い中国では、最も信頼のおける主要指標と広く認められている。また、中国の国内総生産(GDP)の42%を製造業が占めることからもPMIは重視されている。

北京五輪の影響と見込まれた落ち込みも回復せず

 8月に新規受注件数が減少したのは、北京五輪で一部産業の事業活動が制限された影響もあっただろう(BusinessWeek.comの記事を参考:2008年8月7日「As Olympics Open, China’s Economy Slows」)。だが、大方の予想に反し、9月のデータも落ち込みを見せた。

 「輸出の減速と企業の設備投資の軟化が同時に始まっている。回復にはしばらく時間がかかるだろう」と、CLSAの調査部門責任者エリック・フィッシュウィック氏は語る。

 CLSAは来年のGDP成長率を、今年の予想(9.5%)や昨年の実績(11.4%)を下回る7.9%と予想している。中国政府が周到な経済刺激策を打ち出さない限り、8%の達成もおぼつかないだろう。実際、名目GDP成長に対する純輸出の貢献度は年初来マイナスとなっている。8月の純輸出は前年同月比で2%低下しており、9月も改善の見込みは薄い。

 輸出依存度の高い沿岸地域は特に落ち込みが激しく、その最たる例が、長年、中国経済の急成長を牽引してきた広東省だ。同省では、数千件に上る工場がコスト負担の小さい中国内陸部やほかの東南アジア諸国に流出している。この流れが止まらなければ、中国でまた新たに衰退した工業地帯が生まれかねない。

不振は自動車業界にも

 低迷が懸念されるのは、玩具やテレビの製造業界にとどまらない。成長を続けてきた中国の自動車産業でも、深刻な減速の兆候が見え始めた。

 8月の乗用車販売台数は、前年比6.2%減少。通年の伸びも0~5%となる見通しだと米調査会社J.D.パワー・アンド・アソシエイツ(BusinessWeek同様、米マグロウヒル・カンパニーズ(MHP)の事業部門)中国支社のマイケル・ダン代表は言う。1~8月の通算では12%伸びていることから、9月以降の4カ月で相当の落ち込みを予想していることになる。

コメント2件コメント/レビュー

確かに、金融危機と人件費の高騰を背景に、広東省や寧波などの沿岸工業都市は、大打撃を受けております。ただ、中国は、上海や広東省といった南方沿岸都市だけではないのですが。広東省では、安い労働力を求めて、内陸(湖北省など)に移転する動きがあります。広東省では失業率上がりますが、これらの移転先の雇用情勢が改善されると思うのですが。(2008/10/15)

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いただいたコメント

確かに、金融危機と人件費の高騰を背景に、広東省や寧波などの沿岸工業都市は、大打撃を受けております。ただ、中国は、上海や広東省といった南方沿岸都市だけではないのですが。広東省では、安い労働力を求めて、内陸(湖北省など)に移転する動きがあります。広東省では失業率上がりますが、これらの移転先の雇用情勢が改善されると思うのですが。(2008/10/15)

景気過熱も怖いが、リセッションだけは断固回避したいというのが中国共産党の基本方針だと思う。記事にあったように1.8兆ドルの豊富な外貨準備を梃子にした公共投資だけではなく、株価梃子入れのため、上場企業に対し自社株買いを要請(実質命令)したり、輸出優遇税制を再導入したり、高級幹部の所得税を減税(40%→20%)したりと、ありとあらゆる策を講じている。しかし問題は、中国が自らの内需で自律的に経済成長実現するだけ成熟していないということだろう。また、内需拡大を実現するためには制度面も含めたボトルネックが多すぎる。今、北京では共産党大会が開催され、景気問題が集中的に審議されている。内需拡大のカギとして農村問題がメインに取り上げられている。まずは、その内容を見てみたい。(2008/10/12)

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