• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

アイスランド崩壊の衝撃

大手銀行の国有化後も、破綻の危機

2008年10月17日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

Kerry Capell (BusinessWeek誌、ロンドン支局シニアライター))
米国時間2008年10月9日更新 「The Stunning Collapse of Iceland

 人口わずか30万4000人の小国アイスランドが、世界金融危機の最大の被害者として浮上してきた。10月9日、アイスランド政府は国内銀行最大手のカウプシング銀行(KAUP.ST)の国有化とレイキャビク証券取引所の10月13日までの取引停止を決定した。金融当局はさらに、民間銀行を政府管理下に置くために急遽制定された法律を適用し、国内2位のランズバンキ銀行が保有する国内資産の大半を新しく発足する国有の「新ランズバンキ」に移動させることを決めた。

 先週伝えられた、アイスランドが世界に誇る金融部門の大半が国有化されたニュースは驚きの展開だった。アイスランド政府はカウプシング、ランズバンキ、国内3位のグリトニルの大手3行を政府管理下に置いた。さらに、カウプシングのスウェーデン法人はスウェーデン政府から7億200万ドルの緊急融資受け入れを余儀なくされた。ノルウェー銀行保証基金はグリトニルのノルウェー法人に対する流動性支援として8億1900万ドルの融資を申し出た。

 かつて欧州最貧国だったアイスランドはわずか一世代で欧州有数の富裕国に変貌した。そのアイスランドが現在、破綻の危機に瀕していると見る向きもある(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年10月8日「Iceland on the Brink of Bankruptcy」)。

 アイスランドのゲイル・ハーデ首相は国民に向けたテレビ演説で、「最悪の場合、アイスランド経済が金融危機の波に襲われ、国家破綻する危険性が現実にある」ことを認めた。

ロシアの支援は得られるか

 NATO(北大西洋条約機構)の原加盟国であるアイスランドは金融危機を回避するため、ロシアに支援を求める可能性もある。ロシア政府はアイスランドに対する55億ドルの融資を前向きに検討する方針を示した。ハーデ首相は「友好国からは必要な支援が得られていない。こんな時には新しい友人を探すしかない」と述べた。

 ただし、ハーデ首相はいかなる支援も軍事協力に結びつくことは一切ないと強調。2006年に米空軍が引き払った空軍基地をロシア軍に開放するとの憶測を完全に否定した。

 ハーデ首相は10月14日にロシア政府との協議を開始すると述べた。融資の目的は国有化した銀行の再建ではなくアイスランド通貨クローナの下支えだ。クローナは10月6日に30%下落した。

 国際通貨基金(IMF)は首都レイキャビクに代表を派遣した。だがハーデ首相は10月9日に国営ラジオで、IMFへの支援要請は「選択肢の1つだが、必要になるとは考えていない」と述べた。

 アイスランド経済がこれほど急激に悪化したのはなぜか。それは、アイスランドの金融機関が外部金融に過度に依存しているからだ。2000年に金融自由化が完了すると、アイスランドの金融機関は大口顧客から巨額の資金を集めて、国内不動産市場に進出し、英国とスカンジナビアを中心に外国の金融機関を買収し始めた。

 アイスランドの起業家は小売り、食品製造から医薬品まで幅広い業種で世界に君臨していた。金融機関もただ単に、新世代のアイスランド人起業家が抱く世界進出の野望に追随した部分が大きかった。2006年末には、大手3行の資産は合計1500億ドルと、アイスランドの国内総生産(GDP)の8倍にも達していた。

対外債務が山積み

 アイスランドの金融機関はわずか5年で、国内業務を主に請け負う金融機関から、国際的な大手金融機関へと変貌を遂げた。英ロンドン・ビジネス・スクールのリチャード・ポーテス教授(経済学)によれば、2000年には、アイスランドの金融機関は資金の3分の2を国内、3分の1を国外から調達していた。最近の金融危機の直前には、その比率は逆転していた。だが、ホールセール市場が麻痺したことで、アイスランドの金融機関は対外債務を大量に抱えて崩壊し始めた。

 現在アイスランド政府には、持続的な解決策を早急に見いだすよう世界から圧力がかかっている。アイスランドの破綻の影響は北欧の一小国の問題にとどまらず、広範囲に波及するからだ。

コメント9

「Bloomberg Businessweek」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もっと事業を効率化して、料金を下げて、消費者に貢献しないと業界はだめになってしまう。

和田 眞治 日本瓦斯(ニチガス)社長