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GM、クライスラー買収の本気度

リスクを負っても、経営難からの脱却を図りたい

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2008年10月22日(水)

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David Welch (BusinessWeek誌、デトロイト支局長)
米国時間2008年10月15日更新 「What GM Sees in Chrysler

 米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)が米クライスラーを、筆頭株主の米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントから買収か――。このニュースが漏れると、大方の業界専門家は「正気か?」と考えた。

 クライスラーの自動車販売台数は前年比で30%も落ち込み、深刻な赤字が続いている。主力製品のトラックやSUV(多目的スポーツ車)は市場で苦戦を強いられており、「クライスラー」や「ダッジ」ブランドの乗用車やクロスオーバー車(乗用車をベースにしたSUV)には、ブランドを代表するほどの人気車があまりない。人気ブランドの「ジープ」ですら、SUV販売不振のあおりを受けている。

 だがそうした厳しい状況にあっても、一部のGM経営陣は買収をチャンスととらえている。販売不振に陥っているとはいえ、クライスラーの今年年初来の販売台数は120万台に達し、上半期のEBITDA(利払い前、税引き前、償却前利益)は11億ドル(約1100億円)と発表されている。

 だが同社も認めるように、それでも損失は拡大し、資金の流出は止まらない。通年の決算報告によれば、直近の2006年度の売上高は610億ドル(約6兆1000億円)だった。

理論上はいいことずくめだが…

 クライスラーの再建が可能だとすれば、売り上げを拡大し、いくつか優れた製品を獲得する一方で、経費削減により利益増大を図る絶好の機会になると、GMの経営陣は考えているのだろう。数百億ドル規模のクライスラーの収益を取り込み、本社の諸経費を削減し、利益の向上を図る――それがGMの目論見だ。

 クライスラー買収は、理屈上では申し分がない(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年10月11日「GM Plus Chrysler Equals Survival?」)。GMは事業を拡大し、競合企業が1つ減り、生き残った企業は販売拡大と価格引き上げのチャンスを得られる。

 厄介なのは、GMが期待する採算性を確保するために必要な人員削減を労働組合に認めさせることだ。取締役会や株主に買収のメリットを納得させるには、全米自動車労働組合(UAW)員数千人の解雇や、肥大化したクライスラーのディーラー網の段階的縮小に伴うコストが、利益を圧迫しないという根拠を示さなければならない。あるGM幹部も「取引にリスクはつきもの」と認める。

 クライスラーの事業は縮小されることになるだろう。GMが欲しいのは「ジープ」、ミニバン、ピックアップトラックの「ダッジ・ラム」や、「クライスラー300」などの乗用車だ。中型セダン「クライスラー・セブリング」や「ダッジ・アベンジャー」、あるいは「ダッジ・デュランゴ」などの大型SUVは姿を消すかもしれない。GMの既存車種と購買層が重なるためだ。

人員削減と工場閉鎖は不可避

 だがこの戦略はここで行き詰まる。一部車種の生産中止は工場の閉鎖や従業員の解雇を意味する。既に労働組合は合併に反対の姿勢を示している。UAWのロン・ゲトルフィンガー委員長は10月14日、デトロイトのラジオ局WWJ‐AMに出演し、「私としては、さらなる雇用削減を招くような合併は目にしたくない」と発言、GMとクライスラーの合併不支持を表明した。

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