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金融危機の犯人はいったい誰だ

壮大な“悪者捜し”で浮かび上がる容疑者たち

2008年10月23日(木)

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Ben Steverman (BusinessWeek、投資欄記者)
David Bogoslaw (BusinessWeek、投資欄記者)
米国時間2008年10月18日更新 「The Financial Crisis Blame Game

 アンダーソン・クーパー氏が司会を務める米CNNテレビの報道番組にチャンネルを合わせると、「金融市場崩壊の指名手配者ベスト10」が紹介されている。米ニューヨーク・ポスト紙を手にすれば、主要金融機関に対するFBI(米連邦捜査局)の捜査活動を報じた「ペテン街」と題する記事が目に飛び込んでくる。猛威を振るう金融危機に戸惑いや恐怖を覚えながらも、金融危機の犯人捜しが国民の間の新しい気晴らしとなっている。

 市場は暴落し、快適な年金生活の夢ははかなく消え去ってしまった。米国のメディアや国民は、住宅ローン事業者やウォール街の大手金融機関経営者から不動産投資家、危機の到来を正しく警告しなかった専門家に至るまで、ありとあらゆる対象にその非難の矛先を向けている。議会は関係企業の名だたる経営者を針のむしろに座らせようと、公聴会に呼びつける。選挙の立候補者は互いに責任を相手方になすりつける。評論家はこの事態を引き起こした悪者のリストアップに余念がない。

壮大な犯人捜し

 捜査官となった人々は、詐欺や不正行為、その他の犯罪的行為を必ず白日の下にさらそうと意気込んでいる。今のところ、この金融危機に関与していたとの容疑がかけられる人物には事欠かない。誰が容疑者となるかは、金融市場崩壊の発端と、それに対する最大の加担者に関する見方によって変わってくる。

 仮に、金融の規制緩和に非難の目を向けるのであれば、フィル・グラム元上院議員(共和党、テキサス州選出)や米証券取引委員会(SEC)のクリストファー・コックス委員長が容疑者になるかもしれない。

 住宅所有率の引き上げを目指す政治的な意向を背景に、返済能力を欠く人々に住宅ローンを過剰に提供したことが問題原因と考えるなら、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ、FNM)のフランクリン・レインズ元最高経営責任者(CEO)が容疑者として最有力だ。

 金利を引き上げてさえいれば、一連の住宅バブルは回避可能だったと考える人もいるかもしれない。その場合には、米連邦準備理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン前議長が容疑者の有力候補だ。

 あるいは、ウェブ広告でどれだけしつこく勧誘されていたとしても、契約書なし、元本返済なしの住宅ローンなど決して組むべきではなかったと考えるなら、糾弾されるべきは洗面台の鏡に映る国民自身にほかならないだろう。

(金融崩壊に加担したとして非難を浴びている人々のスライドショーはこちら

「金融システム全体」が過ちを犯した

 もちろん、この中に誰一人として、米国経済を破壊しようなどと考えていた人物はいない。自身のため、また投資家のために巨万の富を築いていた人もいれば、政府の厳しい規制の手から市場を自由に開放することの社会的意義を信奉していた人もいる。また、住宅所有者を増やすことの社会的意義に異を唱える人が果たしてどれだけいただろうか。

 容疑者リストに名前が挙がる候補者がこれほど多くいるということ自体、いかに多くの機関や関係者、一般米国民が間違いを犯してしまったかということを物語っている。「犯人を1人か2人に絞り込むのは非常に難しい」と語るのは、米ジョージタウン大学のリーナ・アガーワル教授(金融論)だ。「実際には金融システム全体が真犯人である」。

 1票でも多くの票を獲得したい大統領候補でさえ、槍玉に挙げやすい真犯人はいないことを認めている。民主党大統領候補のバラク・オバマ上院議員(イリノイ州選出)は10月13日、「今回の危機が発生した背景には、皆が身分不相応の生活をしていたということもある。ウォール街やワシントン、そして中には一般国民でも当てはまる人がいる」と述べた。

 実際、米金融システム、ひいては世界経済を深刻な信用収縮と世界的な株式暴落のパニック状態に陥れたのは、一連の誤った考えや予想外の連鎖、そしてありがちな失態が重なり合った複合要因である。とはいえ、それを未然に防ぐことが不可能だったとは言えないだろう。

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