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原油下落で米中大接近

世界のパワーバランスはどう変わるのか?

  • 水野 博泰

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2008年11月3日(月)

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 ニューヨーク原油先物価格が下落を続けている。指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は今年7月に1バレル147ドル台をつけたのをピークに下がり続け、60ドル台でもみ合っている。世界同時不況によって需要が減少するという見通しが最大の要因だが、世界金融危機が顕在化する前の7月から価格下落は始まっていた。米政府による規制強化の気配を嫌った投機マネーが早々と市場から流出していたのだ。
 乱高下する市場と現地で向き合っている米国三井物産の雲(くも)治雄・資源エネルギー部門シニアバイスプレジデント、加藤次男・コモディティー・トレーデング部ゼネラルマネジャー、鈴木雄介・ワシントン事務所エコノミストの3氏に不透明な市場の行方を聞いた。

 ―― 今年7月からニューヨーク原油先物は急落に転じ、70ドルを切って下値を探る状況。そのメカニズムは?

米国三井物産の加藤次男氏

米国三井物産の加藤次男氏

加藤 商品市場に流れ込んでくるお金のうち、「マネージド・フューチャーズ・ファンド」と「コモディティーインデックス連動型投信」の2つの動きがカギになる。これらが買われるか売られるかで短期的価格はほとんど決まってしまうと言ってもいい。。

 先発グループは短期運用資金のマネージドフューチャーズ。世界中の取引所で上場されている商品先物や金融先物が対象で、数週間から数カ月の単位で投資するCTA(Commodity Trading Adviser)による比較的短期のアクティブ運用。ロング・ショートのどちらもあり。投資信託として、機関投資家や一般個人が利用している。

 後発グループの長期運用資金「コモディティーインデックス連動型投信」はインデックスの構成品目となる商品先物を対象とし、商品設計に応じたインデックス連動型のパッシブ運用で長期的に広く浅く投資する。基本的にロングのみ。主に年金基金が利用している。

 資金量では長くマネージドフューチャーズの方が圧倒的だったが、昨年コモディティーインデックスが逆転し、差を広げていた。つまり、商品価格の底上げに年金基金のお金が大きく寄与していたのである。

 過去を振り返ってみると、2006年第2四半期が1つの転機だった。米国が利上げを止めたタイミング。それまではBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国の需要に支えられてファンドが積極的に商品を買っていた。しかし、米景気の不安が顕在化したことで金融市場への資金流入にブレーキがかかり、株から商品にお金が流れてきた。株も商品も何から何まで上がるというフェーズが終わり、選別されたお金が商品に流れ込んでくるフェーズに移っていた。

価格下落のきっかけは「規制強化の兆し」

 そのピークが今年7月の初旬だ。金融危機が材料になる前のことだ。引き金は「規制」である。米国内ではガソリン価格が1ガロン(約3.8リットル)当たり4ドルを超え、投機マネーが商品相場を高騰させているという批判が高まっていた。当局が動き出し、5月に上院議会で公聴会が開かれた。世論の突き上げもあり、今までは網がかかっていなかった投機家にも細かい規制の網をかけようという動きが6月から7月にかけて顕在化してきた。

 実際、「現物のデリバリーが伴わない取り引きはまかりならぬ」という規制法案も議会に提出された。結局会期切れで廃案になりそうだが、先物市場の意味がなくなってしまうような厳しい内容だ。

 インデックスファンドだけが投機家の範疇に入っていなかったので、今後おそらく「インデックスファンド」という範疇が新しく作られ管理されていくことになる。規制がかかればそれ以上ポジションが持てなくなる者が出てくるだろう。「規制強化の動きがある」というだけで少しポジションを縮めようという動きが出る。それが金融危機が始まる前にコモディティーが落ちたきっかけになった。もちろん、現在の値動きは金融危機による景気悪化懸念の影響が大きい。

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