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金融危機の問題は“信頼の危機”にあらず

資本注入は、根源的な解決策にはならない

2008年11月5日(水)

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Michael Mandel (BusinessWeek誌、主席エコノミスト)
米国時間2008年10月28日更新 「Mandel: It's Not a Crisis of Confidence

 現在の市場や経済の混乱は“信頼の危機”に過ぎないのだろうか――。

 ベン・バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長やヘンリー・ポールソン米財務長官の発言に耳を傾ける限り、そう考えるのも当然だろう。「問題の根底は、投資家や一般の人々が大手金融機関や市場の健全さを信頼できなくなったことにある」と、バーナンキ議長は10月15日、ニューヨーク・エコノミック・クラブでの講演で語っている。

 ポールソン長官はさらに踏み込んだ発言をした。10月20日、金融機関への資本注入について次のように説明している。「銀行への信用と銀行間の信頼の回復が目的だ。それにより、銀行は資本を貯め込まずに活用するようになる。信頼の高まりにより銀行が融資活動を活発化させることを期待している」。

 両氏の発言からは、「経済システムの基盤は基本的に健全であり、金融システムへの信頼を取り戻せば、再び成長軌道に乗ることができる」という考えが読み取れる。そう考えれば、巨額の資本注入により不良債権損失を補填することで、銀行の融資活動再開の道は開けてくる。投資家も万事順調と見れば、不合理な行動を改め、世界中の株式市場や企業への投資を再開するだろう。

取り組むべき問題を取り違えている?

 だが、バーナンキ議長やポールソン長官の見解が間違っているとしたらどうなるだろう。信用逼迫が“病気”の原因でなく症状なのだとしたら――。

 考えてみてほしい。我々は、金融システムに根差す信頼の危機でなく、世界の実体経済における痛みを伴う再調整局面に直面しているのではないだろうか。バーナンキ議長やポールソン長官は問題を取り違えていないだろうか。投資家は、これまで前提にしてきた世界経済のとらえ方が間違いだったことに気づき、当面は、ごく一部を除いて、いずれの国の株式市場からも手を引くべきだと冷静に判断しているのではないか。

 現実には、現在の危機は、ある認識の広がりを反映したものと考えてよいだろう。つまり、「技術」「モノ・サービス」「資金」のグローバルな移転という長年当然としてきた図式がもはや立ち行かないという認識だ。

世界経済を牽引してきた3大潮流

 ここ10年間、3つの大きな流れが世界経済の成長を牽引してきた。

 第1の流れは、米国などの先進諸国から中国やインドといった低賃金の新興国への知識や技術、ビジネスノウハウの移転だ。

 新興国のサプライヤーは、多国籍企業の掲げる「サプライチェーン・マネジメント」というあいまいな名の下、国際市場向けのシャツやノートパソコン、飛行機の方向舵などの製造方法を習得してきた。同時に、携帯電話やソフトウエアなどのハイテク製品を独自に開発できるだけの情報も欧米企業から得た。その結果、新興国の生産性と生活水準は飛躍的に向上した。

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