David Kiley (BusinessWeek誌、デトロイト支局上級記者)
David Welch (BusinessWeek誌、デトロイト支局長)
米国時間2008年10月28日更新 「Why Do GM and Chrysler Need Uncle Sam's Help?」
すでに決定が下されている米自動車業界への公的資金投入。米国民は大手投資ファンドの救済に加え、GMとクライスラーの合併費用まで負担する羽目になるのだろうか。
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は9月から、米クライスラー筆頭株主の米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントとクライスラー買収について協議中である(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年10月17日「Under the Hood of a GM-Chrysler Merger」)。
GM経営陣の頭の中には、クライスラーの保有する現金110億ドル(約1兆1000億円)の取得や重複する事業の廃止により、2009年をなんとか乗り切るための収益、キャッシュフロー、現金準備を確保できるとの公算がある。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)は今週、GMの債務格付けを引き下げた。ほかの格付け会社同様、GMは来年、新規の資本調達ができず運転資金が底をつく恐れがあると見ているのだ。
政治家は合併支援に反対
GMは今年上半期に188億ドル(約1兆8800億円)の損失を出した。第3四半期の損失はまだ公表されていないが、同社は早急な政府支援を求めている。GMと米政府間の交渉に詳しい消息筋によると、GMはクライスラー買収に必要とされる100億ドル(約1兆円)の融資を政府に要求している。業界筋によれば、GMはその見返りとして、合併後の新会社の株式を政府に譲渡する可能性や、将来的に多くの雇用を約束する具体策などをちらつかせているという。
米財務省による2500億ドル(約25兆円)規模の中小金融機関の株式購入計画は、米議会でおおむね支持を集めた。だが、GM株式の政府保有案を支持する声は少ない。米下院金融サービス委員会委員長のバーニー・フランク下院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)は、「GMの件はまだ検討していない」としつつも、「議員は皆、株式保有には懐疑的だろう」と語る。
GMのクライスラー買収を公然と支援することに賛同する向きは少ない。ビッグスリー(米自動車大手3社)の味方とみなされ、大統領選の動向を気にする必要のないミシガン州選出の民主党議員団でさえ、救済策の取りまとめにあたっては、雇用削減につながる合併を後押ししている印象を与えないよう神経を使っている。
米下院エネルギー・商業委員会の首席補佐官デニス・フィッツギボンズ氏によれば、委員長のジョン・ディンゲル下院議員(民主党、ミシガン州選出)はGMのクライスラー買収に対する直接支援には当初から難色を示していた。「ディンゲル委員長は技術開発支援のための融資拡大など、業界全体に対する追加支援の方が望ましいとの考えだ」(フィッツギボンズ氏)。
カール・レビン上院議員(民主党、ミシガン州選出)は当初、先週の討論会でGMとクライスラーの合併に対する政府支援を支持したと報じられたが、同議員の事務所は直ちにその報道を否定した。レビン議員もGM、米フォード・モーター(F)、クライスラーの3社に対する低燃費車の開発資金の融資拡大を支持している。
全米自動車労働組合の支持が不可欠
議会は3社への支援策を模索中だが、ある議会職員が指摘するように、「支援策は誰の目から見ても公正と思えるものでなくてはならない。また、全米自動車労働組合(UAW)の支持を取り付けることが不可欠」だ。
最大の争点となるのは、GMとクライスラーの合併に伴い、約3万5000人の雇用喪失がほぼ確実なことだ。前出の職員によれば、GMはクライスラーの事務系職員の大半を解雇する一方で、工場で働く一定数の従業員の雇用維持を約束する方向で調整中だ。
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