Peter Coy (BusinessWeek誌、経済担当エディター)
米国時間2008年11月17日更新 「Key Questions From the G-20 Summit」
11月14〜15日、日米欧と中国、インドなどの新興国の20カ国・地域(G20、BusinessWeek.comの記事を参照:2008年11月15日「G-20 Summit: Little Action, Many Promises」)の首脳がワシントンに集まり、緊急首脳会合(金融サミット)が開かれた。会合では、参加国の結束を強調するため、複雑で論議を呼びそうな問題には触れなかった。
しかし、それは長期的な問題の先送りである。ワシントンで会合した各国の財務相などの当局者は帰国後、いくつかの難しい判断を下さなければならない。少なくとも以下の5つの根本的な問題で、今後数カ月のうちに対応策を示す必要がある。
1. 保護主義政策とは何を指すのか?
集まった各国閣僚はあらゆる形態の保護主義を厳しく非難した。さらに可能であれば年内にも、行き詰まっている世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の協議を再開するために取り組むことでも合意した。
だが、経済を回復させるために各国・地域が取ろうとしている対策の多くが保護主義措置と見なされかねないような状況で、交渉が進展するとは考えにくい。
例えば、デトロイトのビッグスリー(米自動車大手3社)への大規模な支援策はWTOの規定の下で不正な補助金に該当するのではないか、という議論がある。さらに言えば、米国の銀行や証券会社、保険会社に対する大規模な支援策も、WTOの自由貿易規定違反になる恐れもある。
2. 個人消費の拡大を促すべきなのか?
この重要な問題に関し、2つの考え方がある。多くの経済専門家や一般国民は、個人消費の急激な減少はきわめて危険であり、政府が個人消費を下支えする施策を講じる必要があると論じる。
ヘンリー・ポールソン米財務長官は、不良資産買い取りを目的とする金融安定化策の予算7000億ドル(約70兆円)の使途について方針を転換し、クレジットカード融資、自動車ローン、教育ローンも支援措置の対象にした。その理由の1つは個人消費の下支えだ。
一方で、一部の経済専門家らは、そもそも過剰な消費や借り入れが現在の事態を招いたのであり、米国民の支出を引き締め、国際収支を改善することこそ、まさに実行しなければならないことだと指摘する。
3. 住宅価格の下落に歯止めをかけるべきか?
この問題についても意見は分かれる。ポールソン財務長官は、住宅価格が底打ちしなければ金融危機から脱することはできないと繰り返し主張してきた。そうした見方から、住宅購入者向けに金融支援策を実施し、住宅差し押さえを阻止することで、住宅価格の下落に歯止めをかけるよう望む意見は多い。
一方で、一部の専門家は、本来あるべき価格水準よりも割高な価格につり上げようとしても、必要な市場の調整を遅らせるだけで、手が出ない高価格な水準に高止まりしたり、もう一段の価格下落を予想する買い手が購入を手控えたりする結果を招くと主張する。この問題に対処するのは難しい。住宅価格の「適正」水準がどの程度なのかを断言できる者はいないからだ。
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