Moira Herbst (BusinessWeek.com記者、ニューヨーク)
米国時間2008年11月17日更新 「Consumer Cutbacks: Look Who's Benefiting」
ニューヨークのフリーライター、エリッサ・モンタスさん(30歳)は、以前より頻繁に安売り量販店で買い物をするようになった。こうした量販店では、ろうそく、調理用焼き型からスーツケースまであらゆる商品を売っている。モンタスさんは、出費を抑え、特売の機会を利用しようと、クリスマス休暇用の買い物も早めに始めた。
洋服を買い足す予定はほとんどなく、「今年は買い物でストレス解消というわけにはいかない」とモンタスさんはぼやく。自分の洋服を買うのは我慢して、親族の赤ちゃん2人に贈る掘り出し物を見つけようと、ディスカウントの幼児向けDVDを物色している。
そのうえ、米カジュアル衣料小売り大手ギャップ(GAP、GPS)が展開する衣料店「GAP」「バナナ・リパブリック」や、米百貨店ロード・アンド・テーラーなどの割引券を友達と融通し合っている。最近は、こうした割引券が電子メール経由で配布されている。「かっこよくはないけど、これが現実よ」とモンタスさんは語る。
マンハッタンの仕出し料理店の料理人、レナード・スティフさん(30歳)は新型の薄型テレビを買うのを我慢している。携帯電話も買い替える予定はない。米アップル(AAPL)の音楽プレーヤー「iPod Touch(アイポッドタッチ)」も容量32ギガバイト(GB)版の上位機種をあきらめ、16GB版で我慢することにした。「多少つらくても今辛抱すれば、いずれ暮らし向きはよくなる」とスティフさんは言う。
通常、景気後退を読み取るには、失業者の急増、住宅価格の暴落、大手金融機関の破綻といったマクロ経済動向のニュースが参考になる。10月の小売売上高の記録的落ち込みを報じた11月14日のニュースも景気判断の材料の1つだ。
米商務省が発表した前月比マイナス2.8%という小売売上高の下落率は、16年前に統計を取り始めて以来最大規模だ。落ち込みは、大幅に下落した自動車を筆頭にすべての商品分野に及んだ。“倹約”という新潮流の中で(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年10月9日「The New Age of Frugality」)、小売業者はここ数十年間で最悪となるかもしれないクリスマス商戦に備えている。
親しい人へのクリスマスプレゼントも減らす
クレイグ・ボンバーゲンさん(58歳)もできるだけ出費を切り詰めている1人だ。ボンバーゲンさんは、米銀生産大手クール・ダレーヌ・マインズ(CDE、カリフォルニア州ウォルナットクリーク)で技術コンサルタントを務めている。失業する恐れは感じていないものの、不況一色の景気だけでもボンバーゲン夫妻を倹約に駆り立てるのに十分だ。例年5、6個贈っているお互いへのクリスマスプレゼントを、今年は1つか2つに絞ると決めたところだ。
モンタスさんやスティフさん、ボンバーゲンさんのように倹約に転じる消費者が増え、全体として景気に多大な影響を及ぼしている。
米家電量販大手サーキット・シティ・ストアーズは、売り上げ低迷や同社の支払い能力を不安視する卸売業者に追い詰められ、11月10日に破産法適用を申請した(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年11月10日「Circuit City Files for Bankruptcy」)。
その2日後には、経営状態に勝る米家電量販最大手ベスト・バイ(BBY)も業績見通しを下方修正。消費者行動の“地殻”変動で、「未曾有の厳しい経営環境」に直面していると述べた(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年11月12日「Best Buy Gets Hit by Spending Slump」)。
全米小売業協会(NRF)首席エコノミストのロザリンド・ウェルズ氏は、「10月、経済危機への懸念が最高潮に達し、消費活動は一気に冷え込んだ。経済不安はますます深刻化し、消費者は苦境を乗り越えようと生活必需品以外はすべて買い控えている」と指摘する。
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