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中国は大丈夫か[3]世界の安売り業者が集まる巨大雑貨市場~中国発世界永久デフレの衝撃(1)

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2008年12月3日(水)

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世界的な景気後退の影響で、さまざまな工業製品が強いデフレ圧力にさらされている。供給側の大きな原因の1つが、中国で積み上がった生産能力である。思い起こせば、中国が持つこの「デフレ主導権」は、すでに数年前から猛威を振るっていた。「中国発世界永久デフレの衝撃」第1回のテーマは「デフレの現場を歩く」。

* * *

2002年3月4日号より

もう誰も疑問を挟む余地はないだろう。中国が21世紀の「世界の工場」ということに。
だが、その先にある世界経済の姿を想像したことはあるだろうか。
あらゆるモノが中国製品との価格競争にさらされ、「中国価格」に収斂するまで値段は下がり続ける。
人口13億人を擁し、日々技術革新を遂げる中国との競争――。
それはデフレが半永久的に続くことを意味する。
日本にその時代を生き抜く覚悟と備えはできているだろうか。

(谷口 徹也、真弓 重孝、田原 真司、伊藤 暢人、三河 正久、山崎 良兵、富岡 修、
大屋 奈緒子)

1日16万人が買いつけ、「中国価格」が世界価格に

中国 浙江省

 アフガニスタンの戦後復興と、日本の「100円ショップ」の隆盛。一見、全く無関係に思えるこの2つの事象が、実は中国のある辺へん鄙ぴな田舎町で深く結びついている。そう聞いて、にわかに信じられるだろうか?

 上海から南西へ、のどかな田園風景の中を車を飛ばすこと約5時間。その田舎町、浙江省義烏(イーウー)市にたどり着く。ここには中国最大、いや恐らく世界最大の日用雑貨卸売市場「中国小商品城」がある。小商品とは中国語で文房具、アクセサリー、金物類など日用雑貨品のことだ。総面積50万m2強と東京ドームが10個以上入る巨大な市場に、2万7000軒の卸がひしめき、販売する雑貨の種類は10万種を超える。

アフガン商人が札束を懐に押し寄せる

 「最近、アフガン商人が義烏に大勢現れ、商品を大量に買いつけているらしい」――。中国からそんな噂が聞こえてきたのは、今年1月中旬のことだった。昨年12月にタリバン政権が崩壊し、アフガニスタンの通貨アフガニが急騰。それで大儲けしたアフガン商人が、次は戦争後の復興需要を当て込み、札束を懐に中国小商品城に押し寄せているというのだ。

 調べてみると、噂の出所はどうやら中国改革基金会国民経済研究所の樊鋼所長らしい。

 樊氏は中国を代表する著名経済学者で、筋金入りの市場主義者として知られる人物だ。中国の国営テレビ局、中国中央電視台が今年元旦に放送した経済討論番組に出演し、中国製品の国際競争力についてこうコメントしていた。「最近また義烏の小商品城を訪れたが、市場に長期滞在して商品を(母国に)出荷する外国人がおり、うち二十数人がアフガン人だった。これなら世界中どこでも競争力があるはずだ」。

「日本の100円ショップのバイヤーも行ってるらしい」

 アフガニスタンでは1979年の旧ソ連侵攻から20年以上も紛争が続き、経済が疲弊しきっている。今世界で最も貧しい国の1つだ。そのアフガンの商人が、わざわざ何千kmも離れた中国の義烏まで買いつけに来るくらいだから、中国製の雑貨は世界一競争力がある。樊氏はそう主張しているのだ。

 しかし、それは単なる“安かろう悪かろう”ではないのか。すると今度は、日本の事情通に驚くべき話を聞いた。

 「義烏? ああ、例の中国の雑貨市場だね。最近は日本の100円ショップのバイヤーも行ってるらしいよ」

 100円ショップと言えば、カジュアル衣料の「ユニクロ」と双璧をなす、中国発のデフレの象徴的存在だ。店頭には、とても100円とは思えない高品質の雑貨類が何百種類も並んでいる。その大半が中国製というのは広く知られた話だが、具体的な仕入れ先は中国のどこなのか、当の100円ショップはマスコミに固く口を閉ざす。

 だが、仮に100円ショップが義烏で商品を仕入れていれば、それは“安かろう良かろう”である可能性が高い。世界で最も豊かな日本と、最も貧しいアフガン。その両国の商人が、中国の同じ田舎町に集い、同じ雑貨を同じ値段で買いつけているわけだから。

 もしそれが現実なら、意味するところは一体何か。答えは明白である。世界の雑貨価格は、世界一の競争力を誇る中国製品の「中国価格」に収斂していくということだ。

 その現場をこの目で確かめようと、記者は義烏に向かった。

ボールペン5円、靴下32円

 2月5日朝。義烏のバスターミナルから中心街に向けて歩き出すと、市場街らしい活気に満ちた光景が早速目に飛び込んできた。自転車とリヤカーを一体化した「3輪リヤカー」が人や荷物を載せて次々に行き交い、その横を長距離トラックが轟音を上げて通り過ぎる。目指す中国小商品城に近づくにつれ歩行者も増え、道路は溢れ返る人と3輪リヤカー、トラックが混然一体となった「カオス」と化した。

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