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中国は大丈夫か[6]――素材異変「中国特需の死角」

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2008年12月8日(月)

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14億人もの人口と広大な国土、そこに膨れあがる外貨準備が火を付けて、2000年代から拡大してきた「中国特需」。消費財から産業財までブラックホールのように吸収してきたが、いよいよ勢いにかげりが見られるようになった。政府の思惑に大きく左右される中国経済は、以前から好不況の波は激しい。

* * *

2004年5月24日号より

躍進する中国経済が招いた素材価格の高騰。
それは日本企業を巡るビジネス環境の変化も強いている。
内需の不振に苦しんできた日本の素材産業は、中国での需要急増を諸手を挙げて歓迎するが、巨大化し、過熱する中国経済はリスクも抱える。
政府の引き締め策によって、それが顕在化した時、日本企業は耐え得るだろうか。

(田村 俊一、安倍 俊廣)

常識覆す“ブラックホール”

 「鉄は国家なり」。古色蒼然たるこの言葉が、またぞろ重みを増している。世界的な需要増が、鉄鉱石の取引構造を変え、資源の争奪戦が起きようとしているからだ。

 それを象徴するような出来事が昨年起こった。昨年4月頃、それまで年単位で価格が決まっていた鉄鉱石取引に突然、原油や銅のようなスポット市場が出来上がったのだ。三井物産鉄鋼原料・非鉄金属本部長の阿部謙常務執行役員は、「年決めの取引価格が100だとすると、スポット価格は一時的に500を超えることもあった」と驚きを隠さない。

 原因をたどれば中国に行き着く。

 現在、中国は2008年の北京オリンピック、2010年の上海万国博覧会の開催を控えて建設ラッシュ。さらに米国向けを中心とした製品輸出も好調で、経済成長は年率9%を超えるペースだ。わずか8年前の1995年に4000万トン強だった鉄鉱石の需要量は、瞬く間に1億トンを超え、2003年には1億3000万トンにまで達した。こうした需要急増がスポット市場を生み出したわけだ。

 今や中国が輸入する鉄鉱石のうち2000万~3000万トンがスポット市場での調達。当然価格は割高になるが、旺盛な需要はそれをものともしない。

世界需要増加分の半分が中国によるもの

 鉄鉱石の輸入増に合わせて粗鋼生産量も急増している。1995年に9300万トンだった中国の粗鋼生産量は昨年、2億2000万トンを超えた。この間の世界の生産増加分の実に86%を中国が占める。今や焦点は、「いつ生産量が3億トンを超えるか」(阿部常務)だという。

図、素材に対する中国の需要

 中国の需要増は、鉄だけでなくあらゆる素材に及ぶ。例えばアルミ地金。中国のアルミ地金の需要は、95年の170万トンに対して2003年は約3倍の500万トン。この間世界全体の需要は694万トンしか増えていないから、そのうちの半分が中国の需要増によるものということになる。天然ゴムも同様。84万トンが131万トンに増え、世界の需要増に占める中国の寄与度は51%にも達する。

見積書の有効期限は1週間

 当然、中国経済の動向が素材価格に与える影響も甚大だ。世界の商品市況を見ても、代表的な商品市場であるロンドン金属取引所(LME)の銅価格は今年1~4月の平均で1トン当たり3000ドル強と1995年以来の高値。アルミも2002年に1400ドル台だったものが、1700ドルにまで急騰している。

 こうした「素材異変」は、ビジネスの世界に、従来の常識を覆す強烈なインパクトを与え始めている。

 「プラントメーカーの見積書の有効期間は今や、わずか1週間。ついこの間までは3カ月というのが普通だったのに…」。ある大手総合商社の幹部はこう言って戸惑いを隠さない。だが、工場建設などを請け負うプラントメーカーにしてみれば、鋼材の値上がりが急で、とても3カ月間有効の見積書など出せないのが実情だ。

 確かに代表的な建設資材であるH形鋼の価格は、昨年末から上げ足を速めた。2003年12月に1トン当たり5万円弱だったものが、今年4月には7万5000円程度にまで急騰している。

半製品の価格が完成品を上回る珍現象

 こうした資材価格高騰への対応を迫られているのはゼネコン(総合建設会社)も同じ。前田建設工業では、今後もH形鋼の価格が上がるようであれば、受注済みの案件に関して、当初のプランから設計変更することを検討している。同社建築部工務購買グループの石井正夫部長は、「H形鋼を使った鉄骨での建築プランから、鉄筋に変更する提案をすることもあり得る」と説明する。

 お隣の韓国ではこんなことも起こった。韓国のゼネコンが中国の規格で作られた棒鋼を使い始めたのだ。

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