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同時テロに揺れ動くムンバイ

インド経済の成長を牽引する国際企業にショック

2008年12月5日(金)

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Mehul Srivastava (BusinessWeek誌記者、ニューデリー)
Nandini Lakshman (BusinessWeek誌、インドビジネス担当記者)
米国時間2008年11月28日更新 「Terror Attacks Stagger the New Mumbai

 今回のムンバイ同時テロで主な標的となったのは、取締役会に出席するCEO(最高経営責任者)、ヨットの買い付けに来た大富豪、プライベートエクイティ(非上場株)会議に備える金融関係者、結婚式に出席する著名人などの有力者だった。

 洗練されていて教養があり、高い国際競争力を備え、インドの輝かしい未来を象徴する人々――。11月26日の夜、武装グループがアラビア海から潜入し、ムンバイを3日間の悪夢に陥れるまで、新時代のムンバイを構成していたのはこうした人々だった。

 3日間に及んだ銃撃戦と爆弾攻撃の末、12人以上の外国人を含む少なくとも150人が死亡。今回のテロで、“名声”というムンバイの最も貴重な財産に大きな傷がついたとも言える。「同様のテロが相次げば、ムンバイのイメージ低下は避けられない。だが、インド政府が(事態を素早く収拾)できなければ、イメージだけでなく現実にも悪影響が出るだろう」と、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)のアナリスト、アニンダ・ミトラ氏は言う。

インドの経済成長が鈍化する最中のテロ

 ムンバイはここ数年で、繊維産業と大衆映画の街から、インドの玄関口の役割を果たす金融中心都市へと変貌した。だが、インドの驚異的な経済成長の最も輝ける象徴であるムンバイには、依然として貧困があふれている。また、インドを分裂の危機に陥れる宗教闘争も頻発している状況だ。

 2006年7月には、都心を走る通勤列車を狙った連続爆破テロで187人が死亡した。その3年前には、車両爆弾テロで60人が死亡。さらにその10年前の1992~93年には、ヒンズー教徒とイスラム教徒の衝突で1000人もの死者が出ている。

 それでも、ムンバイは繁栄を続け、香港や東京に代わるアジアの金融中心地としての地位を誇ってきた。ムンバイの証券取引所は世界で最も活気のある取引所の1つであり、ムンバイの金融業界は南アジア諸国の羨望の的だ。レストランやナイトライフも、世界的な文化水準に迫りつつある。

 「こうした事件は以前にもあった。今回のテロでも、ムンバイの勢いは止まらないだろう」と語るのは、インドの調査会社コーポレート・アンド・エコノミック・リサーチ・グループ・アドバイザリーの創業者オムカー・ゴスワミ氏だ。かつてインド最大の業界団体の主席エコノミストを務めた経験もある同氏は、「今まで、ムンバイの経済成長を止めるものは何もなかった。何が起きても、ムンバイは変わらなかった」と話す。

 実際、テロリストがまだ人質を取って立てこもりを続けている場所に近接するムンバイ証券取引所は、11月28日には取引を再開した。株式市場は下落するとの予測が大勢だったが、インド人の愛国心を反映してか相場は上昇。指標であるSENSEX指数は、前日終値比66ポイント高で取引を終えた。

 とはいえ、インド経済は既に勢いを失っている。GDP(国内総生産)成長率は7.6%に鈍化。外国人機関投資家はインド株式市場から130億ドル(約1兆2350億円)以上の資金を引き揚げている。その結果、SENSEX指数は前年比で50%ほど落ち込んだ。

 「重要なのは、今後のインド政府の対応だ。警察や諜報機関の強化に関する政府の動きから、今回のテロが及ぼした影響を読み取ることができるだろう」とゴスワミ氏は語る。

 インドのGDPは1兆ドル(約95兆円)。ムンバイ経済は実にその5%を占め、直接税収入の3分の1近くを担うことから、正常化にはしばらく時間がかかるのは間違いない。テロ発生から3日目の今も、列車の乗客はごくわずかで、学校やオフィスは固く閉ざされたままだ。ムンバイ市民は政府の指示に従い、外出を控えている。11月28日午後には、一部の人が外出しようとしたものの、鉄道の駅に武装グループが現れたという誤情報が流れたため、慌てて自宅に戻る羽目になった。

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