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中国は大丈夫か[10]貧富の格差急拡大で暴動頻発、噴き上がる内部矛盾~ここまで来た中国バブル(3)

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2008年12月11日(木)

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右肩上がりを続けてきた中国の不動産価格が踊り場を迎えている。資産効果で潤ってきた高額消費の先行きが不透明になってきた。また、高騰を続ける人件費は進出外資の収益を圧迫し、軌道修正を迫られる場面も出てきそうだ。「ここまで来た中国バブル」、第3回のテーマは「貧富の格差急拡大」。

* * *

2005年1月17日号より

投資主導の経済成長は、世界からヒト、モノ、カネ、技術を集めたい中国にとって、極めて有効に機能してきた。だが、その過程で汚職は悪質・巨額化し、貧富の差は拡大。物価上昇や不良債権の増加などマクロ経済も傷んだ。胡錦濤政権は2005年から経済の「正常化」に取り組む見通し。汚職と特権で彩られていた高成長は、調整局面に入らざるを得ない。

(香港支局 谷口 徹也)

「アクセルのいらない自動車」

 中国経済は、1979年に市場原理の導入や対外開放の柱とした「改革開放」に乗り出して以来、「アクセルのいらない自動車」に例えられる。景気刺激策を打たなくても、放っておけば勝手に加速を始め、いかにブレーキをかけるかに悩むほど経済は過熱してしまうという意味だ。

図、経済成長率及び最終消費と資本形成の寄与度

 2005年の現在に至る景気過熱の起点は、経済成長率が7.1%で底を入れた1999年である。以来4年間、実質成長率はほぼ右肩上がりで推移している。先導役は投資。今回の成長局面でも住宅や商業ビル、工場、道路などの社会インフラへの投資などで構成される固定資産投資の伸び率は2000年の10%から2003年の28%まで一貫して拡大してきた。

 始まりは「世界の工場」だ。安価な労働力を利用しようと世界中から生産拠点用の投資が集まり、貿易黒字と相まってGDPを押し上げた。

 この過程で設備投資、貿易に関わる人たちの懐は潤い、海外からも注目を集める高額品消費に火がついた。これでさらに投資や貿易が活発化した。

 13億の民が目を覚ました。これから巨大市場の高度成長が始まる──。こんなかけ声がかかったかのように、今、中国には世界からヒト、モノ、カネが集まっている。2008年の北京オリンピック開催になぞらえて、多くの日本人はこう言う。「今の中国は、東京オリンピックが開催された時の日本と同じ。これから中産階級が経済成長の主役に躍り出る」。

投資依存の成長に限界?

 確かに、経済の中心である上海には、そう思わせるに十分な演出効果がある。新築のビルやマンションで日々姿を変え続ける大都会では、整備された道路にまばゆいイルミネーションが輝く。繁華街の飲食店やサービス産業は先進国のそれとほとんど変わらない。

 しかし、億単位の人口を持つ国では他に例を見ない、過度に投資に頼る成長は、確実に変調を来している。

図、GDPに占める資本形成の比率(2003年)

 2003年、GDPに占める投資(中国の統計上は資本形成)の割合は44%に達した。日本はピークの1970年で39%だった。投資が大きくなるのは、発展途上国の経済が離陸する段階で必要なこととはいえ、中国のそれは先進諸国はもちろん、他のアジアの途上国、中進国と比べても異常に高い水準である。行きすぎた投資は、投下資本の効率低下を招くだけでなく、不良債権の温床ともなる。

 それと表裏一体の異常が内需の低迷だ。中国の経済成長が注目されるようになった1990年代後半以降、経済成長に占める「最終消費」の寄与度は低迷を続けている。

 中国の名目成長率は2003年、12.6%だった。その内訳となる「寄与度」は、投資が8.4%で1998年以降、ほぼ右肩上がりが続いている。一方、消費の寄与度は4.3%にとどまった。しかも1998年と2002年は改革開放以来25年間の中で、1、2番目の低さである。

 都市を中心に弾ける投資と消費、そして、統計上の消費の低迷。共存するこの2つの現象を合理的に説明する方法は1つしかない。一握りの国民が急速に豊かになる一方で、その他の大多数が生活水準の向上をほとんど感じられない「2極化経済」である。

中国は国内に植民地がある

 中国は国内に植民地がある──。中国の不思議な経済現象を説明する時、こんな言葉がよく使われる。外国からの投資や高級消費による経済活性化の恩恵を直接浴することができるのは、沿岸部にある大都市の住民が大半。「その他大勢」は出稼ぎで安価な労働を提供して、彼らに便宜を図っている構造である。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長