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ドバイにも人員削減の波

金融危機が直撃、救済のカギ握るアブダビ

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2008年12月11日(木)

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Stanley Reed (BusinessWeek誌ロンドン支局チーフ)
米国時間2008年12月3日更新 「The Downturn Hits Dubai

 アラブ首長国連邦(UAE)の有力者はここ1年ほど、西側諸国で広がる信用危機に動揺しつつも、対岸の火事として眺めていた。小国ながら石油資源が豊富なUAEには影響が及ばないと高をくくっていたのである。だが、世界的な金融危機とは長い間無縁だったUAEにも、ついにその波が押し寄せてきた。ペルシャ湾岸諸国の経済の生命線である原油の価格が、今年7月中旬のピーク時から60%以上も下落したのだ。

 UAEのもう1つの主力商品である不動産の価格も下落し始めた。その傾向が特に顕著なのは、連邦の中でも石油資源の乏しいドバイ首長国だ。あるドバイ不動産業界関係者の試算では、年初からの8カ月で約14.4%上昇していたドバイの不動産価格はここにきて突然、20〜30%も下落。中には、50%下落した物件さえあるという。

 別荘やマンションの価格が下落し、販売も低迷する中、ドバイを象徴する椰子の木形の人工島建設を手がけたナキールをはじめとするドバイの政府系不動産開発大手各社は、建設を中断して人員削減を行っている。

 不動産業界ほど大規模ではないが、人員削減の波は米モルガン・スタンレー(MS)や米ゴールドマン・サックス(GS)をはじめとする投資銀行にも及んでいる。ペルシャ湾岸地域はこれまで、投資銀行が世界で唯一好調と見ていた地域だ。その湾岸地域で人員削減が始まったことで、湾岸地域を世界の金融センターにするという悲願を抱く各首長国首脳は危機感を強めている。

 今、湾岸地域には冷たい風が吹き荒れている。信用市場は収縮し、株式市場は暴落。圧倒的な存在感を誇ってきた政府系のソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)は、来るべき石油資源の枯渇に備えるという設立目的とは裏腹に、何千億ドルもの巨額な含み損を抱えていると見られる。

“軍事会議”さながらの金融危機対応委員会

 最も危機的状況にあるのは、UAEの7つの首長国の中で2番目に大きいドバイだ。ドバイではこの10年間、借り入れによる建設・買収ラッシュが続いてきたが、指導者らはようやく、その現状を見直す必要に気付き始めた。

 ドバイの権力者の新たな認識が明確になったのは、ドバイのムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム首長が11月24日に召集した金融危機対応委員会だった。軍事会議さながらのこの委員会は、ドバイ・ワールドエミレーツ航空ドバイ・ホールディングなど、ドバイの首長一族や政府が経営する企業(いわゆる「ドバイ株式会社」)の経営トップ9人で構成。委員長を務めるムハンマド・アルアッバール氏は「我々は新たな現実を理解している。そのことに間違いはない」と述べた。

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