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中国は大丈夫か[11]人民元切り上げ幅2%は、大転換の序章に過ぎない

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2008年12月12日(金)

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2005年7月21日に実施された人民元の切り上げは、世界に激震をもたらした。輸出競争力の低下による「世界の工場」への影響や、購買力が向上して有望市場になることに対する展望、そして、人民元の先高観が引き起こす投機マネーの流入――。期待と不安がない交ぜになった議論が展開された。それから3年余り、じりじりと切り上げられた人民元の通算切り上げ幅は、対米ドルで約2割に達している。

* * *

2005年8月1日号より

低廉な労務費を武器に急成長した「世界の工場」は新局面に。
中国シフトで円高を克服した日本企業も戦略の見直しを迫られる。
通貨の変動は、国際政治の舞台での国家の位置づけまで変えかねない。

(大西 康之、中島 募、馬場 完治、田中 成省、杉山 俊幸)

1年以内に10%の切り上げがあってもおかしくはない

船井電機

 「最短なら1年以内に10%の切り上げがあってもおかしくはない。米国は30%の切り上げを求めているのだから」

 人民元切り上げ幅が2%と小幅だったため、経済界からは「影響は限定的」という声が盛んに聞こえる。しかし、中国への生産集中で最も成功した企業の1つ、船井電機の船井哲良社長は先をにらみ、こう身構える。

 船井電機の海外生産比率は99%。このうち79%が中国に集中している。中国ではテレビ、ビデオ、DVDプレーヤーなどを生産し、全量を米国や欧州に輸出している。

 日本で設計し、人件費の安い中国で作り、米国のウォルマート・ストアーズなどで売る。この戦略で船井電機は日本の電機メーカーとしては驚異的な、8.7%という売上高営業利益率(2005年3月期)を実現した。日本の電機業界の“勝ち組”とされるシャープ(同5.9%)や松下電器産業(同3.5%)をはるかにしのぐ水準だ。

図、地域別の生産比率と売上高構成比率

 だが「中国で作って米国で売る」船井電機のビジネスモデルは、元高ドル安の直撃を受ける。理論上、人民元切り上げで最も不利なモデルだ。 最大の強みが弱点になるだけに、人民元切り上げは同社にとって切実な問題だった。当然、人民元切り上げが実現する以前から周到に対策を検討してきた。人民元切り上げのXデーに向けて、船井電機は3年前から対策を練ってきた。中国への一極集中を改め、生産地の多様化でリスク分散するのが基本的な考え方だ。

次は中国を除くBRICsに

 「実は半年前から、中国に次ぐ生産の最適地を探している」と船井社長は明かす。有力候補は、ブラジル、ロシア、インド。中国を除いた新興市場国(BRICs)だ。インドネシアとフィリピンも船井電機の新たな生産拠点の候補地に入っている。

 2%の人民元切り上げは、船井電機のビジネスにほとんど影響しない。同社の中国での部材の現地調達率は5割前後と見られる。半導体は日本、韓国、米国など世界中から購入しドルで支払っている。テレビやビデオの筐体に使う鉄板は品質の高い日本製を輸入している。

 中国製の部品も日系メーカーから買う場合は大半がドル建てか円建ての決済になる。人民元で支払うのは調達費全体の十数%と見られ、人民元が2%切り上がっても製造原価は0.2%しか上昇しない計算になる。

 にもかかわらず中国への一極集中の是正に動き始めたのは、「人民元の切り上げが2%で済むはずがない」と読んでいるからだ。「10%まで切り上がったら何らかの対策が必要だ」と船井社長は言う。

中長期では100~200%の切り上げも

 船井社長は、さらに先の展開も視野に入れている。

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