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中国は大丈夫か[12]中国株の虚実「高成長=高株価」の幻想

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2008年12月15日(月)

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2007年10月に6000を超す最高値をつけた上海総合株価指数は現在、その3分の1の2000前後で推移している。自国の発展に自信を持った中国内の個人資産だけでなく、毎年10%を超す経済成長に引き寄せられた海外からの投機マネーも中国株ブームを演出した。世界金融危機に沈んだ中国の株価は、今後どうなっていくのか。

* * *

2005年4月18日号より

 日本の巨額の個人マネーが、雪崩を打って中国に向かう。中国株を主要な投資対象とする個人向け投資信託の資産残高は、2003年後半から急増。日本の個人投資家が保有する中国株資産は1兆円に迫るのが確実だ。
 だが、中国株への投資はエマージングマーケット(新興国市場)に特有のリスクを伴う。日本の個人投資家が殺到する現象は、先見の明なのか、ただのバブルで終わるのか。

(北京支局 田原 真司、大豆生田 崇志)

日本への不安、中国への期待がブーム演出

 「自分の場合、それは将来への不安でした」――。2年前から中国株を始めた小林寛永さん(仮名、31歳)は、きっかけをこう話す。

 小林さんは、大手ソフトウエア開発会社に勤務するプログラマーだ。入社以来、こつこつと給料を貯めた中から、約700万円を中国株に投資した。香港市場に上場している中国企業を中心に十数銘柄を保有し、現時点で250万円ほどの利益が出ているという。

このままでは未来は暗い

 中国株を始めるまでは、日本株を含めて株式投資には全く縁がなかった。1998年に地方の国立大学の大学院を卒業した時は、戦後最悪の不況の真っ只中。しかし、中学時代からプログラミングが得意で、「手に職があれば、少なくとも食うには困らないだろうと楽観していた」。

 ところが、現在の会社に就職して、厳しい現実を目の当たりにした。ソフト開発の期限が迫ると、徹夜作業が続く毎日。プロジェクトのまとめ役を務める30代の上司は、激務で疲労困憊していた。体調を崩して、病院から会社に通う先輩もいた。せっかく手に職があっても、体を壊してしまえばその先の保証はない。ソフト業界に流布する「プログラマー30歳限界説」が、脳裏から離れなかった。小林さんは将来への備えを強く意識し始めた。

“お金儲けの神様”の著作をふと手にして…

 そんな時、書店でふと手にしたのが、“お金儲けの神様”と呼ばれる人気作家の邱永漢氏の著作だった。

 「邱氏は『お金はお金の通り道で稼ぎなさい』と説いている。中国の発展はこれからが本番で、世界中からお金が集まる。既にピークを過ぎた日本より、中国しかないと思った」

 庶民には実感できない景気回復、終身雇用の崩壊、年金財政の実質破綻、ペイオフ解禁――。中国株ブームの裏側には、中国の成長への期待というコインの表面と一体になった、日本の先行きに対する強い不安が隠れている。期待と不安の相乗効果が、個人投資家を行動へと駆り立てているのだ。

 中国株を専門に取り扱うネット証券会社のユナイテッドワールド証券。同社が毎週開催しているセミナーには、20~30代の若い投資家や女性の姿が目立つ。ウェブサイトだけで告知し、1000~3000円の受講料を取るにもかかわらず、毎回満員の盛況だ。

 「若い投資家の多くは、今のまま漠然と働いていても将来は暗いと思っている。何とか閉塞を打破したいという心理を感じる」と、講師を務めるユナイテッドワールドインベストメントジャパンの戸松信博社長は話す。

ネット証券の拡大がブームを後押し

 インターネットの急速な普及も、中国株ブームを後押ししている。ほんの4~5年前まで、中国株の売買は証券会社の店頭や電話を通じて指示するしかなかった。中国株を取り扱う証券会社も少なく、手数料も高かった。

 だが、ネット証券最大手の松井証券が今年2月に参入するなど、ここにきて証券会社が続々と中国株の取り扱いを始めた。今や、自宅に居ながら香港の株価をリアルタイムで確認し、その場で注文を出すことも可能だ。手数料も大幅に安くなった。

 ネット関連の広告会社に勤める田中俊彦さん(26歳)は、投資している中国株のポートフォリオを個人のホームページで公開、ネット上の投資仲間と情報交換を楽しんでいる。「中国のことはよく分からないが、株式投資はその国の経済成長を買うということ。日本株よりむしろ安心感がある。いろいろな中国株を軽いノリで買って、全体で儲かっていれば構わない」。

 余裕のコメントの背景には、中国株投資の初期コストの安さがある。

 例えば、日本のNTT東西に相当する中国最大の固定通信事業者、中国電信(チャイナテレコム)の4月1日の終値は2.75香港ドル(約37円)。最低取引単位は2000株なので、手数料を除いて約7万4000円から購入できる。ちなみに、同じ日のNTT株の終値は46万5000円だった。

資産家も動き出した

 このハードルの低さが、若いネット世代の関心をますます中国株に引き寄せている。中国株関連のニュースをネットで配信しているサーチナ(東京都中央区)のウェブサイト「中国情報局」には、1日30万件ものアクセスがある。「以前は、現地の証券会社や通信社のニュースを翻訳していただけだった。最近は、日本の投資家の視点に立った情報を加えないと読者に満足してもらえない」と、同社の端木正和社長は言う。投資家の裾野と関心が、それだけ広がっている証左だろう。

 若者だけでなく、中高年も動き出した。2月中旬、大和証券が東京都内のホテルで開催した中国株セミナー。広い会場は、50代以上の資産家を中心とする660人で埋め尽くされた。

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