• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中国は大丈夫か[13]弾け始めた資産バブル、不動産と株式「宴の代償」で騒動に

  • 日経ビジネス

バックナンバー

2008年12月16日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

経済成長と消費の牽引役だった不動産の価格下落が始まった。株価も低迷したままで、底堅い消費にも心理的な悪影響が生じつつある。欧米の金融危機が深刻になる中で、中国も綱渡りの経済運営が続く。

* * *

2008年10月13日号より

チベット問題に新疆ウイグル自治区でのテロ行為、貴州省での数万人規模の暴動。多数の民衆を巻き込んだ騒乱の“るつぼ”と化している中国で、新たな火種が広がりつつある。北京五輪が終わった9月以降、不動産への投資や売買を巡ってのトラブルが次々に表面化し始めているのだ。

(香港支局 熊野 信一郎)

違法投資被害が次々明るみに

 湖南省の西側にある吉首市。9月24日から25日にかけ、その市街地で大きな騒ぎが起こった。

 地方政府庁舎や駅を取り囲んだ群衆の一部が暴徒化し、車を横転させ、店舗を破壊し、さらには警察へ投石攻撃を仕掛けた。さながら今年3月に起こったチベット動乱のようだが、背景は全く異なる。発端は、違法な不動産投資話だ。

 高利回りをうたった地元の不動産業者に私財を投じた出資者が利払いを止められ、不満を爆発させたのである。実は吉首市では9月初めにも数千人規模の抗議デモがあった。10億元(約160億円)を集めた資金勧誘事件の被害者が道路を封鎖し、列車の運行が一時停止するという騒動が起こったばかりだった。その時は武装警察が出動して事態を沈静化させたが、今回は40人以上の逮捕者を出す警察との衝突へとエスカレートした。

 現地の報道によると、被害者と業者の仲介に入った地方政府へ不満の矛先が向き、さらに野次馬が“便乗”したことで騒ぎが大きくなったようだ。

 湖南省の騒動は特殊な例ではない。その1週間前の9月18日、浙江省南部にある麗水市でも大規模な抗議デモが起こっている。

10万人から約30億元の資金を集めていた

 香港に本部を置く中国人権民主化運動情報センターによれば、地元の不動産会社が高い利息収入を約束し、10万人から約30億元(約480億円)もの資金を集めていた。ところが、資金繰りが悪化したことで利息の支払いが止まっていたという。

 不動産業者の経営者を拘束した当局の庁舎に、出資金返還を求めた約1万人もの抗議者が殺到、警察との衝突で20人の負傷者が出た。この麗水市では今年7月、同様の投資詐欺事件である村の村長が逮捕されたばかり。マカオのカジノ通いで2000万元(約3億2000万円)をすったその村長には、執行猶予付きの死刑判決が下っている。

 高利をエサにした出資勧誘は、中国に限らずどこにでもある典型的な詐欺である。ただ、不動産価格が右肩上がりで推移する間は問題が表面化しなかった。

 それがここにきて各地で次々に騒動へと発展しているのは、消費や経済成長を牽引してきた不動産が、ついにマイナスへの「逆回転」を始めたことを示している。配当を受け取れなくなった被害者の怒りが、所得格差や地方政府の腐敗などへの鬱憤を一気に爆発させる“起動装置”となっているのだ。

値下げ販売に抗議殺到

 不動産市場の変調は大手デベロッパーにまで波及している。

 住宅業界では、9月半ばの中秋節、10月初めの国慶節と大型連休がある9月と10月は販売商戦のピーク。今年、「金九銀十」と呼ばれるこの時期の注目は値引き販売に集まっている。

 きっかけを作ったのは、深センに本社を置くデベロッパー最大手の万科集団だ。万科は中秋節に向けた販売キャンペーンで、一部の物件の価格を従来より1~2割引きしての販売に踏み切ったのである。最大手が値引きを始めただけでも大きなニュースだが、値下げ前の価格で購入したオーナーが噛みついたことで騒ぎがさらに大きくなった。

 これまでの中国では、購入したマンションを転売して差益を狙うのは当たり前。予期せぬ「資産デフレ」に直面したオーナーが、売買契約の解除や差額の補填を求めて各地の万科の販売所に詰めかけたのだ。8月に同社首脳が「低価格競争はしない」と発言していたことも、オーナーの怒りを増幅させたと見られる。

“自転車操業モデル”が破綻した

 「万科退房(万科は販売契約を破棄せよ)」と書かれた赤いプラカードを掲げて大声で騒ぎ立てる光景が、テレビのニュースでも取り上げられ、インターネットのウェブサイト上でも「万科はキャンセルに応じるべきか」などの議論が盛んだ。オーナーの間では「値下げ」と「販売キャンセル」への関心が広がりつつある。

コメント2

「日経ビジネスが描いた日本経済の40年」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トップの身の丈が組織の限界を作る。

多田 荘一郎 GEヘルスケア・ジャパン社長兼CEO