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中国は大丈夫か[14]加速する膨張、抜き去られる日本~2010年日中逆転(1)

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2008年12月17日(水)

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乗用車、薄型テレビ――。豊かさを象徴する耐久消費財の販売台数は、2007年上半期に初めて中国が日本を抜いた。携帯電話の契約者数は日本の5倍を上回る。世界の批判を浴びた食品の安全管理、急増するエネルギー消費、悪化する環境汚染、拡大する軍事費など、不安を抱えつつも中国は膨張を続ける。日本は、この巨大な隣国とどう向き合っていくべきなのか。

* * *

2007年10月1日号より

 日本が40年近く掲げ続けてきた「世界第2位の経済大国」の看板を下ろさなければならない日が、すぐ目前に迫っている。日本を超えようとしているのは言うまでもない。急成長を続ける巨大な隣国、中国だ。中国が名目ベースで10%の成長を続け、人民元がドルに対して年率5%上昇すると仮定すれば、中国のGDPは早ければ2010年にも日本に並ぶ。「2010年 日中逆転」に対する備えはできているのか。

(北京支局 田原 真司、伊藤 暢人)

月収12万円、流行のハイテク製品は一通り持っている

 北京に住む張衛華さん(29歳)と杜慧清さん(25歳)は、今年8月に結婚したばかりの新婚夫婦。結婚を機に広さ約70m2の中古マンションを購入し、新生活をエンジョイしている。

 新居のリビングで一番目立つのは、壁に掛けられた27インチの液晶テレビ。「もっと大画面でも買えたが、部屋の広さに合わせて小さめを選んだ」と張さん。値段は4000元(約6万円)したが、高いとは思わなかった。

 共働きの2人の月収は合計8000元(約12万円)ほどで、2500元は住宅ローンの返済に充てる。「お金持ちが多い北京では裕福とは言えませんよ」と笑うものの、液晶テレビのほかにも携帯電話、ノート型パソコンなど、流行のハイテク製品は一通り持っている。「これから2年くらい貯金して、次は自家用車を買いたい」と、若い2人の夢は膨らむ。

大都市の所得は中進国並み

 中国で薄型テレビや乗用車などの高額商品を買えるのは、事業で成功したり株や不動産で儲けたりした一握りの富裕層だけ――。日本ではそんなイメージが強い。富裕層の市場は限られており、北京オリンピックに向けた投資ブームが終われば、需要が一気に冷え込むのではと懸念する声も少なくない。

 だが現実には、高額商品の需要を牽引しているのは富裕層だけではない。張さんと杜さんのように、市場の裾野は大都市の中間層にまで広がっている。

 昨年の主要都市の1人当たりGDP(国内総生産)は、北京市が6200ドル、上海市が7200ドル、広州市は7800ドル、深セン市は8600ドルに達した。既に中進国の上の方の水準だ。この4都市だけで総人口は5000万人を超える。仮にオリンピック後に景気が減速しても、需要が一気に干上がらないだけの懐の深さを、中国経済は備えつつある。

トヨタ、1000万台乗せの原動力は中国

 今年、グループで980万台の世界販売(日野自動車、ダイハツ工業含む)を見込み、米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて悲願の世界首位の座を手にするトヨタ自動車。2009年には1040万台と、1000万台の大台超えの目標を掲げる。

 その原動力を、トヨタは中国に求めている。中国メーカーと合弁で既に6つの完成車工場を建設、今年は43万台の販売を見込む。2010年代の初頭までに、それを100万台程度に倍増させる計画だ。渡辺捷昭社長は「2009年頃までに、中国にもう1つ工場を増やさなければ足りなくなるだろう」と話す。

 何事にも慎重を期すトヨタの強気の姿勢は、経営陣が中国の成長はオリンピック後も続くと判断している証左にほかならない。

「工場」としても「市場」としても既に日本を凌駕した

 経済大国としての日中逆転は、貿易統計を見ても明らかだ。「世界の工場」と呼ばれる中国の輸出総額は2004年に日本を追い抜き、あと数年で米国に追いつく勢いで伸びている。

 一方、4年連続の2ケタ成長による内需拡大を背景に輸入総額も急増している。実は輸出よりも1年早く2003年に日本を抜いているのだ。

図、対世界の輸入総額

 中国は海外から原材料や部品を大量に輸入して、それを加工して輸出しているために、輸入総額がそのまま市場規模を表すわけではない。とはいえ資源に乏しい日本も同じ構造を持っている。世界の目から見れば、中国は「工場」としても「市場」としても既に日本を凌駕したと映る。

 米財務省出身の中国経済研究者で、議会からもしばしば証言を求められるカーネギー国際平和基金シニアアソシエイトのアルバート・ケイデル氏は将来をこう予測する。

 「中国は少なくともあと20~30年は7~10%の成長を続ける潜在力を持っている。政策的な失敗さえ犯さなければ、GDPは2035年前後には米国を追い抜くだろう」

次世代技術にも影響力

 経済の規模では抜かれても、日本には世界に誇る高い技術力がある。これからは技術立国を前面に、世界に存在感を示すべきだ――。そう考える向きもあるだろう。

 だが、これまで日米欧が牽引してきた技術革新競争にも、中国は無視できない影響力を発揮し始めた。

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