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中国は大丈夫か[21]危機をバネに攻める~中国リスクに克つ(1)

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2009年1月5日(月)

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経済成長にかつての勢いはなくなったが、中国市場に強い期待をかけている日系企業は多い。グローバル競争の圧力が、中国リスクの直視と対応を迫っている。発想を変えて挑戦すれば、それは会社を強くするチャンスに変わる。

* * *

2006年3月13日号より

日本を震撼させた大規模な反日デモからもうすぐ1年。進出企業が再発を恐れる一方で、中国への投資拡大は続く。まさに中国市場にはリスクとチャンスが共存している。日本企業はどう向き合い、克服していくべきなのか。現地融合への様々な動きを追った。

(北京支局 田原 真司)

合弁相手と価値観共有

日産自動車

 「あの時の惨憺たる失敗があったからこそ、日中双方が本当に胸襟を開いて話し合えるようになった」――。

 日産自動車と中国の東風汽車の合弁会社、東風汽車有限公司(東風日産)の任勇・副総裁は、あえて「失敗」という重い言葉を選び、1年半前に直面したどん底の経験を振り返る。

図、東風日産の乗用車販売台数

 東風日産の乗用車部門の中国側トップを務める任副総裁にとって、2005年は輝かしい飛躍の年になった。2004年秋に発売した高級セダン「ティアナ(中国名:天籟)」、2005年春に発売した小型車「ティーダ(頤達)」が続けざまにヒット。以前から販売している車種を合わせた年間販売台数は15万7500台と、2004年の実に2.6倍に拡大した。

 だがこの飛躍は、実は2004年の低迷の裏返しと言える側面もある。同年の初夏、それまで驚異的な成長を見せていた中国の乗用車市場の伸びが突然減速。東風日産はそのあおりを受け、深刻な苦境に陥っていたからだ。

工場が1カ月半も停止

 2004年秋には在庫が一時2万台に膨らみ、広東省広州市に半年前に完成したばかりの新工場を在庫調整のために1カ月半停止するという苦渋の決断を迫られた。同年の販売台数は6万台と、目標の8万台を25%も下回った。任副総裁の言う「失敗」とは、この時のことだ。「中国側と日本側の価値観がバラバラで、市場の急激な変化に対応できなかった」。

 日本と中国の企業では、言葉や文化、仕事の進め方などが大きく異なる。その壁を乗り越える相互信頼がなければ、合弁会社の経営はいとも簡単に迷走してしまう。しかし、中国政府は国内市場向けの完成車を生産するメーカーに外資が50%以上出資することを認めていない。日本メーカーにとって、中国企業との合弁は避けられないリスクなのだ。

 東風日産の失敗は、その典型だった。2003年7月の発足に当たり、日産が出資している台湾の裕隆汽車と東風汽車の合弁会社で、旧型の「ブルーバード(藍鳥)」と「サニー(陽光)」をライセンス生産していた「風神汽車」が現在の乗用車部門の母体になった。風神は中小企業的な柔軟でスピード感のある独自の企業文化を持っていた。

国籍や出身母体に関係ない価値観

 日産はそこに、グローバルに事業展開する大企業特有の系統立てて標準化された経営手法を持ち込んだ。風神出身者たちは、日産の文化は官僚的で意思決定に時間がかかりすぎると感じた。一方、日産出身者の目に、風神の文化は拙速で長期的視点に欠けると映った。「合弁会社を発展させたいという気持ちは同じでも、まるで日本人は腕時計を日本時間に、中国人は中国時間に合わせているようで、話が噛み合わなかった」。総経理弁公室(総務部に相当)の陳呉主任は言う。

 そんな中で日中の壁を取り払う契機になったのは、皮肉にも「市場からの警鐘」(任副総裁)だった。自動車という商品の魅力はブランド、価格などの総合力で決まる。2004年は市場全体の伸びが鈍化したとはいえ、東風日産の低迷が競合他社より深刻なのは明らかだった。

 それは、消費者が商品に魅力を感じていないという証左だった。冷酷な現実を前に、日中双方はお互いに一致団結するという原点に立ち戻らざるを得なかったのだ。

 「国籍や出身母体に関係なく、合弁会社の立場で価値観を統一するための“基本法”を作ろう」。2004年の暮れ、任副総裁は日本側のトップである吉田衛・副総裁に提案した。吉田副総裁は二つ返事でOKした。

どん底から出た行動綱領

 「基本法そのものより、起草の過程で会社のビジョンや目標について日中が本音をぶつけ合うことに意義があった。実際、ボタンのかけ違いや遠慮がいかに多かったかを痛感させられた」(吉田副総裁)

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