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中国は大丈夫か[24]ロケット需要に点火しろ~中国という磁力(1)

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2009年1月8日(木)

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中国が世界から巨大市場として強く認識されるきっかけとなったのは、2001年の世界貿易機関(WTO)加盟である。それまで「世界の工場」という側面が強調されていたが、「13億の眠れる民が目を覚ました」とばかりに中国市場を目指す企業が一斉に動き出した。2003年に掲載した「中国という磁力」。第1回は「ロケット需要に点火しろ」。

* * *

2003年1月20日号より

中国の磁力が、アジアを大きく変えようとしている。13億人の潜在需要という抗しがたい誘惑。世界各国の企業がその市場発掘にしのぎを削る。どんなに競争が厳しくても、引き返すことはできない。中国で生き残れなければ、世界で敗れることを意味するからだ。
磁力を肌で感じるアジアの国々は、自由貿易協定(FTA)を介して中国との融合に動き出した。日本はこのまま停滞を続けるのか。復活のカギは大競争に跳び込む勇気と創造力だ。

(田原 真司、田中 成省、国司田 拓児)

PHS大復活、中国発・世界標準狙う

「PHSは移動体通信のマクドナルドだ。こんなに素晴らしい日本の技術はない」――。

 米国の通信機器メーカー、UTスターコムの陸弘亮(ルーホンリアン)社長兼CEO(最高経営責任者)は断言する。

 何かの間違いじゃないか、と思っても不思議はない。マクドナルドは言わずと知れた世界最大のハンバーガーチェーン。どこの国でも安くて均質な商品・サービスを提供する、ファストフード業界の「世界標準」である。

 一方、1995年に登場したPHSは携帯電話とのユーザー獲得競争に敗れ、国内の加入者数は97年の700万人をピークに現在は560万人に減少している。通信料は確かに安いが、既に最新技術とは言えず、国内では旗色の悪い通信規格だ。それがどうしてマクドナルドになれるというのか。

 だがPHSが今、日本人の知らないところで大ブレークしていると聞いたら、どうだろうか。それも世界最大の人口を擁する中国で。

1年半で加入者数11倍

 福建省チャンチョウ市。日本から直行便が飛ぶ厦門市から、高速道路で40分ほどの地方都市である。北京や上海などの大都会では見かけなくなった「輪タク」が通りを悠々と行き交い、のんびりとした雰囲気が漂う。

 よく見ると、輪タクの背もたれの後ろ側に国有電話会社、中国電信の広告が描かれている。

 「固定電話と小霊通(シァオリントン)を使おう」

 この小霊通こそ、PHSの中国版である。売り物は携帯電話の3分の1~9分の1という通信料の安さ。浙江省余杭(ユハン)市という田舎町で、98年にひっそりとサービスを開始した。しかし、2001年上半期に加入者数が100万人を突破したのを境にブームに点火。昨年末には推定1100万人と、1年半で実に11倍、日本のピークを一瞬にして追い越してしまった。まさにロケット並みの急上昇だ。

10年以内に2億人を目指す

 陸社長が率いるUTスターコムは、PHS関連機器で中国市場の6割を握る最大手だ。日本製の端末や基地局を輸入販売するほか、日本メーカーからライセンスを受け現地生産している。

 同社は、台湾出身の陸社長が米カリフォルニア州で創業した通信ベンチャー、ユニテック・テレコムと、中国出身の呉鷹(ウーイン)・副会長兼中国地区総裁がやはり米国で創業したスターコムが1995年に合併して発足した。

 小霊通の大躍進は、その業績にはっきり表れている。2002年第3四半期の売上高は2億6550万ドル(約318億6000万円)と、前年同期の1億7050万ドルから56%増加。純利益は同3070万ドル(約37億円)と、同1880万ドルから63%も拡大した。世界的なIT(情報技術)不況で通信各社の株価が軒並み暴落する中、米ナスダック市場に上場する同社の株価は米同時テロ直前の水準を上回っている。

 しかし陸社長は、この程度の成功では満足していない。「小霊通の加入者数は今年中に2500万人。10年以内に2億人を目指す」と鼻息が荒い。

本来、屋外に持ち出せるコードレス電話

 日本では劣勢のPHSを、UTスターコムはなぜ中国で販売し、大成功できたのか。それに、機器を購入してサービスを提供している通信事業者は中国電信である。同社は有線通信サービスの専業で、移動体通信の免許は持っていない。政府のおとがめを受けることはないのだろうか。

 この奇想天外な事実を理解する早道は、まず頭に刷り込まれた常識や固定観念を疑ってみることだ。

 例えば、日本でPHSが失敗したのは、本当に携帯電話より劣っていたためなのか。三洋電機の通信機器子会社、三洋テレコミュニケーションズの鵜狩武則副社長はこう証言する。

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