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中国は大丈夫か[27]ROE50%の人海作戦~中国ビジネスの勝ち組(1)

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2009年1月14日(水)

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今でこそ、世界における事業ポートフォリオに「中国」の文字が入っていることは珍しくなくなった。しかし、わずか10年前、中国ビジネスと言えばそのつかみどころのないリスクに多くの企業が手をこまぬいていた。新中国が建国50周年を迎えた1999年、知られざる日本企業の中国展開に焦点を当てた特集「誰も知らない中国ビジネスの勝ち組」。第1回は「生産大国編」。

* * *

1999年9月27日号より

中国ビジネスは労多くして益少なし――。そう思い込んでいないだろうか? 確かに国情も言葉も異なる中国で、外国企業が成功するのは並大抵ではないが、中国で儲けている企業は意外に多い。1997年は収支トントンの企業の比率が前年より減り、黒字、赤字の比率がともに増えた。「勝ち組」と「負け組」の2極化が進んでいるのだ。1999年10月1日の新中国建国50周年を機に、知られざる中国ビジネスの勝ち組を現地で徹底取材した。

(田原 真司=香港支局、山崎 良兵、花渕 敏)

“手作りVTR”の衝撃

船井電機

 シンフォニック。シルバニア。

 聞き慣れないブランド名の中国製ビデオデッキ(VTR)が今、米国市場で売れに売れている。人気の秘密は何と言っても価格の安さ。ウォルマート、サーキットシティなどの大手量販店では、2ヘッドの再録型機種が70ドル(約7700円)弱。4ヘッド・ハイファイの上級機種でも100ドル(約1万1000円)弱で販売している。

 この激安VTRを製造しているのは船井電機。大阪証券取引所第二部上場のれっきとした日本企業である。

 冒頭の2つの名称は、欧米の量販店向けに供給している専用ブランド。そこに船井ブランドと欧米メーカー向けのOEM製品を加えた北米シェアは28%に達し、ブランド別で首位の松下電器産業に肩を並べる。

工場と言うより、ちょっとした町

 「労働資源が豊富な中国は生産立地として最適」。船井電機の香港法人、ハイソニック・インダストリアルの安村元彬社長はこう断言する。

 戦後最悪の不況下で日本の多くの家電メーカーが業績低迷に苦しむ中、船井電機は1996年6月期から4期連続で増収増益を達成した。その秘密は、主力製品の生産拠点を大胆に中国に移転し、そこから大消費市場に輸出する戦略を徹底したことにある。

 VTRについては、92年に稼働した広東省東莞市の工場でほぼ全量を集中生産している。現在の生産量はVTRの心臓部であるメカデッキが月産100万台。VTR完成品が70万台。残りのメカデッキはマレーシアの工場に運び、そこで生産するVTR一体型テレビに組み込む。単純計算でほぼ2.5秒に1台を生産。1カ所の工場では間違いなく世界最大だろう。

 14万m2の広大な東莞工場の敷地内では、協力メーカーを合わせて総勢8000人が働く。生産ラインの工程はほとんどが手作業だ。若い女性従業員がフロアを埋め尽くし、一心に手を動かす。彼女たちの大半は農村部からの出稼ぎ。やはり敷地内にある寮に住み込みで働いている。ここまで規模が大きいと、工場と言うより、ちょっとした町である。

労働集約がものを言うハイテク製品

 VTRのメカデッキは製造に高度な精密加工技術を必要とし、つい数年前まで海外生産が難しいハイテク製品の代名詞のように言われてきた。大量生産には日本の工場と同じ高額な製造設備が必要で、海外生産のメリットは小さいと考えられていたからだ。

 ところが船井は、その常識を破り、メカデッキを「労働集約がものを言うハイテク製品」に変えてしまった。人件費の安い中国で、いちはやく手作業による大量生産を軌道に乗せ、他社の追随を許さない低価格を実現した。

 しかし、船井のVTRが安い理由は、人件費の安さだけではない。

 厳しい価格競争を勝ち抜くため、船井は年間10%を超えるコストダウンを目標に掲げた。その実現のため、メカデッキを毎年設計から見直している。東莞工場で現在生産中のメカデッキは、第6世代を意味する「マーク6」。モデルチェンジに際しては、構造の簡素化や部品点数の削減はもちろん、人手による生産を前提にした組み立て易さも重要な設計課題になる。

 「同じメカデッキを5年作り続けるなら、機械で生産してもいい。しかし現実には、設計を毎年変えてコストダウンしなければ価格競争に勝ち残れない。製品寿命1年を前提にすると、設計変更にすばやく柔軟に対応できる人手を活用した方が、生産コストは大幅に安くなる」(安村社長)

機械に負けない大量生産と生産ラインの柔軟性

 ハイテク製品でも、人手の生産性が機械を上回るという事実は衝撃的だ。

 人件費の高い日本では、モノを安く大量生産するにはどうしても機械に頼らざるを得ない。しかし機械は導入時に大きな資金が必要なうえ、一定の稼働率を維持しなければ期待したコスト効果が出ない。生産品目の変更にも手間がかかり、柔軟性に欠ける。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師