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中国は大丈夫か[29]「ジャンク」からの復活~中国ビジネスの勝ち組(3)

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2009年1月16日(金)

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今でこそ、世界における事業ポートフォリオに「中国」の文字が入っていることは珍しくなくなった。しかし、わずか10年前、中国ビジネスと言えばそのつかみどころのないリスクに多くの企業が手をこまぬいていた。新中国が建国50周年を迎えた1999年、知られざる日本企業の中国展開に焦点を当てた特集「誰も知らない中国ビジネスの勝ち組」。第3回は「金融編」。

* * *

1999年9月27日号より

中国ビジネスは労多くして益少なし――。そう思い込んでいないだろうか? 確かに国情も言葉も異なる中国で、外国企業が成功するのは並大抵ではないが、中国で儲けている企業は意外に多い。1997年は収支トントンの企業の比率が前年より減り、黒字、赤字の比率がともに増えた。「勝ち組」と「負け組」の2極化が進んでいるのだ。1999年10月1日の新中国建国50周年を機に、知られざる中国ビジネスの勝ち組を現地で徹底取材した。

(田原 真司=香港支局、山崎 良兵、花渕 敏)

中国関連の不良債権流動化が始まった

 バンク・オブ・アメリカのバイスプレジデント、冷牟田はるみさんは今春、広東省政府系ノンバンク、広東省投資信託公司(GITIC)向けの貸付債権を邦銀から購入した。昨秋破綻したGITIC向け貸し付けは不良債権化しており、価格は簿価を大幅に下回る、いわゆるジャンク(くず)債権。金融システムの混乱が収まらぬ中、中国関連の不良債権流動化が始まったのだ。

 冷牟田さんは、機関投資家などが保有する不良債権に投資するビジネスを手がけて十数年のベテラン。1980年代には累積債務国、90年代初頭はユーロトンネルなどの欧州もの、その後ロシア・東欧向けの貸付債権を超安値で引き取って運用してきた。

 昨年7月には東京から香港に活動の拠点を移した。急増する東南アジアの不良債権情報ばかりでなく、中国に関する情報を得るためだ。

 冷牟田さんの購入対象の中で中国関連の不良債権はまだ1割に満たない。「人民元の切り下げも心配だし、開示情報も不十分」と見ているからだ。

 GITIC債権の取引価格はせいぜい簿価の1割。「破産の配当に賭ける投機の対象としては妙味がある」と冷牟田さんは笑うが、中国関連のジャンク債権に関心を寄せる機関投資家はドイツ系や他の米国系銀行など、徐々に増えているという。

GITIC破綻劇が中国の金融悲観論を勢いづけた

 生産大国、頭脳大国の側面が際立ってきた中国に、金融面でも大国化する余地はあるのか――。内外の専門家の多くはノーと答えるだろう。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)のエドワード・スタインフェルド助教授は、「国営銀行による非効率な国営企業への垂れ流し融資が膨大な不良資産を生み、両者の弱体化がスパイラルに進んだ」と指摘する。

 中国に対する金融悲観論をさらに勢いづけたのが、GITIC破綻劇。西側銀行の誰もが「最終的には中央政府が面倒をみるだろう」と高をくくっていた地方政府系ノンバンクが、債務不履行になったのだ。これで中国に対する西側金融界の信用が一気に失墜した。

 アジア通貨危機でアジア株が低迷。株式の新規公開が激減したことも、欧米系の投資銀行を直撃した。98年1月には、香港拠点のアジア有数の投資銀行、ペレグリン・インベストメンツ・ホールディングスが破綻した。

 米ゴールドマン・サックスは広東省政府から昨年末、傘下の香港企業、広東エンタープライゼズの顧問に任命され、リストラ案策定に当たっている。しかし、債務の優先株などとの交換を柱とする5月末のリストラ案には、銀行団が一斉に反発。金融リストラに絡んだビジネスが容易ではないことを見せつけた。

今後の焦点は大型国有企業の民営化

 しかし目を凝らすと、停滞した中に活路を求める動きも見えてくる。

 中国の貯蓄性向は極めて高い。将来に対する不安が国民を貯蓄に走らせているのだ。

図、「海外の銀行・証券会社の中国に対する投資銀行活動例」と「都市部住民の貯蓄額」

 米モルガン・スタンレー・ディーン・ウイッター(MSDW)は95年、中国4大銀行の1つである中国建設銀行などと合弁で中国国際金融有限公司(CICC)を設立した。中国内で投資銀行(インベストメントバンク)業務を手がけることができるユニークな存在だ。MSDW香港法人のジョン・ワドワース会長は、「CICCの収益は絶好調。中国ビジネスはこれからも有望だ」と言い切る。

 数少ない勝ち組のワドワース会長に言わせれば、今後の焦点は相次ぐと見られる大型国有企業の民営化だ。

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