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サティヤムの粉飾決算、「インド版エンロン」事件に

揺れるITアウトソーシング業界、インド業界4位の不徳

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2009年1月16日(金)

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Manjeet Kripalani (BusinessWeek誌、ムンバイ支局長)
米国時間2009年1月7日更新 「India's Madoff? Satyam Scandal Rocks Outsourcing Industry

 1月7日の朝、窮地に陥ったインド第4位のIT(情報技術)アウトソーシング会社サティヤム・コンピュータ・サービス(SAY)のラマリンガ・ラジュ会長は、同社取締役会とインド証券取引委員会(SEBI)へ驚くべき内容の書簡を送った。ラジュ会長は、10億ドル(約900億円)近い額の粉飾決算の事実を隠蔽していたと告白。自身の資金操作で2億5300万ドル(約230億円)の負債を被り、サティヤムの2008年7〜9月期の四半期決算では収益を76%、利益を97%かさ上げしていたという。

 ラジュ会長は辞表を提出するとともに、粉飾決算に手を染めた自身の不徳を恥じる謝罪で書簡を締めくくった。当初は「実際の営業利益と帳簿上の利益の間のわずかな隔たり」だった粉飾金額が、収拾不可能な規模にまで拡大してしまったとし、「法に従い、裁きを受ける覚悟はできている」と記している。

 この粉飾決算の発覚で、インド経済界には衝撃と憤りが広がった。IT業界の経営者たちは、新世代のインド企業家の模範的存在になると期待されていたためだ。事件が明るみに出た7日には、指標であるSENSEX指数は7.3%下落。投資家はサティヤム株を一斉に投げ売りし、同社の株価は1日でほぼ78%安の大暴落となった。

 米証券大手ゴールドマン・サックス(GS)は、サティヤム株の投資推奨を停止した。ゴールドマン・サックスのアナリスト、フリオ・キンテロス氏とビンセント・リン氏は、「投資格付けや目標価格の評価基準となる根拠が不確かなものになっている」ことを理由に挙げた。米銀大手JPモルガン・チェース(JPM)のアナリストはリポートの中で、1株当たり利益が「発表済みの実績や2009〜10年のコンセンサス予測を70〜80%下回る可能性がある」と警告した。

 サティヤムは「インド版エンロン」になったと評したのは、仏金融大手クレディ・アグリコルの子会社CLSAアジア・パシフィック・マーケッツ(本社:香港)インド支店のアナリスト、バフトッシュ・バジパイ氏。今回の事件を「考えられない不正会計で、インドのコーポレートガバナンス(企業統治)の信頼性に深刻な打撃を与える出来事だ」と述べている。

 サティヤム以外のインドのアウトソーシング企業の経営陣は、今回の事件が自社に及ぼす影響を見極めようと必死になっている。現在、多くの業界観測筋は、サティヤムの事件により、信頼性の高いITサービスを提供する国としてのインドの評判は低下し、インドのアウトソーシング企業は当局や投資家、顧客からの厳しい監視の目にさらされると予想している。サティヤムに注目していた香港のあるファンドマネジャーは、「信頼性という点で、バブルは崩壊するだろう」と話す。

 インドのアウトソーシング企業に機密システムへのアクセスを許可している顧客も多いため、信頼性に疑念が生じることはとりわけ深刻な問題だ。「単なる生産委託先ではなく、関係性はもっと深い」と同ファンドマネジャーは説明する。米調査会社ガートナー(IT)のアナリスト、ディプタラップ・チャクラボルティ氏は、間違いなく「短期的に顧客は警戒心を強め、懐疑的で、用心深くなる」と言う。何と言っても、「不正を働いた相手とは誰も取引したがらない」からだ。

事態の解明を望む投資家

 インドのアウトソーシング業界の経営陣は、業界全体に影響が及ぶのを懸命に阻止しようとしている。「コーポレートガバナンスと外部監査が機能しなかったことは、インドにとって重大な問題となる」と、インド商工会議所連合会(FICCI)のラジーブ・チャンドラセカール会頭は言う。

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