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2008年中国十大“嘘”ニュース

ウソから見えるマコトの中国

2009年1月16日(金)

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 中国のインターネットサイト“鳳凰論壇”に、2008年12月13日付でハンドルネーム“admin” という人が“爆笑版2008年中国十大新聞”(新聞=ニュース)を書き込んだ。adminさんによれば、この“爆笑版中国十大新聞”は2002年から毎年年末になると発表しているもので、今年で7回目になるという。

 adminさんは、本題に入る前書きに、「あくまでも爆笑版ですべて嘘ニュースだが、厳しい経済状況下、我々はもっと精神的にリラックスしよう」と述べている。こうしたadminさんの気持ちが共感を呼び、この“爆笑版2008年中国十大新聞”は多数のインターネットサイトに転載されたのだった。

 爆笑版の意味が辛口の風刺であることを踏まえて、「十大嘘ニュース」をお楽しみいただきたい。

1. 国営通信社の新華社は、写真ニュース「300万イスラム教徒がメッカ巡礼」を報じてから24時間以内に記事を次のように訂正した。曰(いわ)く、「あの空中写真の黒山の人だかりは、メッカ巡礼ではなく、北京の大学卒業生の就職説明会の現場写真でした」。

<解説>
 中国社会科学院の発表したデータによれば、2008年の大学卒業生559万人の就職率は70%にも達しておらず、2008年末における未就業の失業者数は150万人以上であるという。

 2009年の大学卒業生は前年より40万人増の599万人と予想されており、折からの世界金融危機による景気後退もあって、大学卒業生の失業者数はさらに増大するに違いない。上海の某大学の調査では、2008年卒業予定者の2007年12月中旬の就職決定率は71%だったのに、2008年12月中旬の2009年卒業予定者の就職決定率はわずか8.9%であったという。

 中国各地で開催される大学卒業生を対象とした就職説明会に押し寄せる大学生はイスラム教徒のメッカ巡礼と見紛(まが)うほどで、新華社が間違えるのも無理はない。

2. 中国建築材料連合会は先頃、中国の大手乳製品メーカー数社に対して「2008年において中国の石材供給に多大な貢献をした」として感謝状を送付した。一方、報道によれば、“国家質量監督検験検疫総局”は先日、「中国の食品飲料企業に対して2009年1月1日から食品包装の上に当該製品は有毒物質を含んでいない旨を明記するよう要求する」旨の公告を出した。

<解説>
 2008年9月に発覚した河北省石家荘市の“三鹿集団”に端を発した「粉ミルクのメラミン混入事件」は、乳製品全般に波及すると同時に中国の乳製品業界を揺るがす大事件に発展し、粉ミルクを飲んで腎臓結石などを発症した乳幼児は、死者6人を含む29万人以上を記録した。

 メラミンが乳製品に大量に使われたことで、メラミン樹脂の建材が供給不足となったおかげで、石材の供給量が大幅に増えたので、中国建築材料連合会は乳製品メーカーに感謝状を送付した。さらに、食品には有毒物質が含まれていないことを明記することが国家により規定された。

 こうなると世も末と言わざるを得ない。

3. 2008年8月、第29回夏季オリンピックが北京で成功裏に開催された。最も注目された男子100メートル決勝では、ジャマイカのボルト選手が9.69秒の世界記録で第1位となり金メダルを獲得したが、第2位は中国の“範○○”選手であった。また、中国サッカー協会の前副主席の謝亜龍が率いた中国女子サッカーチームは北京オリンピックの敗北後は休眠状態にあるが、選手たちは北京のマッサージセンターで“叉腰肌推拿”という特殊マッサージを受けている。
(注)○:「足」扁+「包」

<解説>
 範○○は四川大地震の際に生徒を教室に残したまま真っ先に逃げ出したことで非難の的となった教師の範美忠につけられた渾名(あだな)で、意味は「逃げの範」。その逃げ足はボルト選手に次ぐほどに速いから銀メダルものだという意味(2008年7月4日付「“手抜き工事”のニュースより地震災害救助で活躍した『英雄少年』の報道を」参照)。

 中国サッカーチームは男女ともに北京オリンピックで惨敗を喫したが、女子サッカーチームの反省会の席上で中国サッカー協会副主席の謝亜龍が、“叉腰肌”(=腰周辺にある筋肉)の鍛え方が足りないから負けたのだと、惨敗の責任を選手に転嫁する発言を行い、世間の批判を浴びた。

 この点を捉えて、高給取りの女子サッカーチームの選手たちは高価な“叉腰肌推拿”という特殊マッサージを受けて、“叉腰肌”を鍛えていると皮肉るとともに、責任を選手に転嫁した謝亜龍の無責任さを非難したもの。

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「2008年中国十大“嘘”ニュース」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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