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中国は大丈夫か[30]「危ない」「もうからない」は誤解だ~中国で稼ぐ会社はここが違う

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2009年1月19日(月)

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世界的な金融危機の影響で、日本企業による中国事業の先行きに暗雲が立ちこめてきた。ただし、中国が「世界の工場」として広く認知される前にも、「中国ビジネスは危ない、もうからない」という論評は根強くあった。12年前と今、中国ビジネスは同じ復活の道をたどることができるのか。

* * *

1997年12月22日号より

最近は「危ない」「もうからない」と酷評される中国のビジネス環境。しかし、それは表面的な見方だ。もうかっている会社はちゃんとある。厳しい環境でも稼ぐ、知られざる3社を紹介する。成功のキーワードは、基本に忠実な「当たり前」の経営。功を焦って拙速に終わるのは、日本でも中国でも変わりない。

(田原 真司=香港支局)

毎年20%を上回る増収を続けた

愛普生精工・香港=セイコーエプソン

 「モノづくりの基本は日本も中国も同じ。基本を忠実に実行して利益が出ないのなら、最初から何かが間違っているのではないか」。セイコーエプソン(長野県諏訪市)の山崎淑夫常務・アジア中国室長はこう言い切る。

 セイコーエプソンの中国進出は早い。足がかりとなったのは、1974年に香港に設立した腕時計の海外生産子会社を前身とする愛普生精工・香港(エプソン・プレシジョン・ホンコン)。ここを前線基地に、まず85年、香港に隣接する深セン経済特別区に愛普生精工の100%出資で愛普生技術・深センを設立した。さらに翌年、経済特区のすぐ外側の深セン市宝安区に委託加工方式の工場を建設。その後も工場の新増設を重ねた結果、愛普生精工の傘下では現在、香港・深センの6工場で約9000人が働く。

図、愛普生精工・香港の売上高

 愛普生精工の工場群には、セイコーエプソンの9つの製造事業部のうち6つが進出、同社最大の海外生産拠点となっている。96年度の愛普生精工の売上高は52億香港ドル(約884億円、1香港ドル=約17円)。同年度はフロッピーディスク駆動装置の生産から撤退したため、22%の大幅減収となったが、前年度までは毎年20%を上回る増収を続けた実績を持つ。

 中国進出の初年度から12期連続で黒字を達成している。利益率そのものは経常ベースで平均1~2%と低いが、これは生産子会社という性格上、すべての製品をグループ企業に出荷しているため。むしろ、利益率一定のまま生産現場のコストダウンを強力に推し進めた結果、グループ全体での競争力の向上に大きく貢献した。「コスト競争力は内外の生産拠点でトップクラス」。愛普生精工の中村俶明社長は胸を張る。

人件費以外で競争力をつける

 中国で「コスト」というと、日本の10分の1~20分の1という人件費の安さがすぐに思い浮かぶ。愛普生精工もほかの外資系企業と同様、中国の豊富で安価な労働力をフル活用している。

 しかし中村社長は、「いったん中国に進出したら、人件費はあまり重要ではなくなる」と話す。安い賃金のおかげで、愛普生精工の生産コストに占める人件費の割合は現在2~4%にすぎない。しかも、中国にはキヤノンをはじめ内外のライバル企業がすでに進出しており、同様に安価な労働力を活用している。「人件費以外の部分、とりわけ生産コストの8割を占める部品代をいかに引き下げるかが、競争力の決め手になる」(中村社長)。

 中村社長の言う「部品代」とは、部品メーカーの出荷価格はもちろん、工場への輸送コスト、さらに組み立て前の在庫コストまで含んでいる。つまり、人件費のはるかに高い日本の製造現場で取り組んでいる生産革新運動と同様、部品の購買から組み立て・出荷に至るプロセス全体で、包括的なコスト削減努力が求められるということだ。

現地調達比率90%、そのうち約半分は内製品

 そのために愛普生精工が取り組んできたのが、部品の現地調達比率の向上と基幹部品の内製化だ。特に部品の内製化は、最終組み立てと同じ工場内で出荷状況を見ながら部品を生産できるので、輸送コスト、在庫コストの両面でコスト削減効果が大きい。すでに部品の現地調達比率は90%に達しているが、そのうち約半分は内製品だ。

 深セン経済特区内のプリンター工場を例にとろう。工場の1階に入ると、大型のプラスチック成型機と鋼板プレス機がずらりと並んでいる。ここでプリンターの外側の筐体きょうたい(機器を収める箱)と、メカ部分を支えるフレームを内製している。フロアの一方には金型が積み上げられ、中国人社員が調整作業に取り組んでいる。

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