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オバマ政権のアキレス腱はソマリアか

  • 吉田鈴香

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2009年1月21日(水)

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 20日、バラク・オバマ氏が米国の新大統領に就任した。選挙直前に世界を襲った経済危機が、就任前から彼の方針に注目を集めさせる結果となったが、筆者が注目したのは対外支援の中心をなす政府開発援助の方針と予算額である。この荒れる世界をどう見、どの方向に導いていくかを表す指針でもあるからだ。どうやら対外方針は、経済危機によって大きく変更せざるを得なくなっているようだ。

「開発援助2倍」のはずが

 オバマ氏は2007年4月、スピーチでこう述べている。「もし私が当選したら、初めの任期が終了する2012年までに対外援助(政府開発援助)を2倍にします」。

 2008年の米国の政府開発援助額は250億ドル。世界1位の金額だ。それを2倍にするという。この方針に、援助界は大いに沸き立った。米国が2倍にするなら、他国も追従せざるを得ないインセンティブが働くからである。オバマ氏の出自がその言葉の裏づけとなり、途上国支援に関わる者たちは、世界の不公平感の是正に取り組む大統領が誕生するのだと期待し続けてきた。

 オバマ氏が特に強調したのは、極度の貧困に悩むアフリカへの支援だった。父の国がケニアだからというわけではない。国際社会の決まりごととして、国連総会で決められた目標「ミレニアム開発目標」を達成したいとの意欲に基づくものだった。

 2000年9月の国連総会で、21世紀の国際社会の目標として「2015年までに1日1ドル未満で暮らす人口比率を1990年水準で半減させる」など8つの分野、18の目標を189カ国の代表が設定し決議した。平和と安全、開発と貧困、環境、人権とグッドガバナンス(良い統治)、アフリカの特別なニーズなどを課題として掲げ、21世紀の国連の役割に関する明確な方向性を提示した。

 そして、この国連ミレニアム宣言と1990年代に開催された主要な国際会議やサミットで採択された国際開発目標を統合し、1つの共通の枠組みとしてまとめられたのが、ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals=MDGs)だ。

 世界中の力を合わせなければ、貧困も紛争もなくならない、その国だけの問題ではない、と問題を共有しただけでも意義ある宣言であった。国連でこれほどの賛同を得る共通目標ができることは、珍しい。日本ももちろんこの目標を政府開発援助(ODA)の目標として掲げている。

 2007年4月24日付のニューヨーク・タイムズ紙によると、オバマ大統領(当時候補)は「多くの米国国民が対外支援について懐疑的であることは知っているが、これらの脆弱国(貧困、紛争、環境問題に苦しむ政治的財政的に弱い国々を脆弱国という)への投資はテロと争いから合衆国の生命と財産を守る最も効果的な道の1つになり得る」と述べたのであった。その方針は不変と思われた。

コメント8件コメント/レビュー

オバマ氏が外交に主体を持っているとは思えません。経済状況を見ても、彼は当面ほとんど外交に手を出さないと考えます。また、彼の経歴を見ても対応力が有るか疑問です。だから、のクリント氏を指名したと思います。前任ライス氏のアメリカでのVisibilityは、アメリカ経済が坂を転がり落ちるのに合わせて任期の後半では激減していたように思います。クリントン氏になったとて、それほど変わらないでしょう。だとすれば予算増加実行の心配よりは予算が付くことの心配をすべきでは?氏の目下の焦点は、対外援助より費用を垂れ流す軍事の蛇口を絞ることではないでしょうか?マスコミや政府が焚きつけている日本の危機とは異なり、アメリカの経済危機は今後の国家のあり方を大きく変える岐路にあります。民衆受けか大統領になれた人のつながりか判りませんが、いずれにせよこれまで出されたオバマ氏の政策は社会主義的かつ合理的歯止めのない財政出動ばかりで、国家予算を超える負債を支えようとしています。その資金をどのように手に入れるかについては、明確なビジョンがありません。そのため多くの識者がドルの凋落を占うほどの通貨供給を実行しようとしています。このようなアメリカが他国へ資金を出すというのは、カラ手形同様です。ジンバブエドルになるとは思いませんが、2倍の額面でも実質価値は半分になる可能性を持つ危機にあって、いくらクリスチャンの国でも論理は通りません。誰でも燃える自分の家に水をかけるのが先で、その次に隣家ではないでしょうか?中国の製品や行動に多くの日本人が疑問を持ち始めています。私はこれが中国の経済発展と教育のアンバランスの結果だと考えています。人口が爆発していたり、貧困にあえぐ国々は私の目からは少なくとも中国より教育が行き届いていないように思います。このような教育というコンセンサス形成に不可欠なものを欠いてるところに資金供給してもざるに水を注ぐようなものです。だから、救援物資が横流しされたり、腐るまで放置されたりすることが起こると思います。注ぐことと同じぐらい受け皿に体をなさせることは重要なことだと思いますが、多くの支援議論ではその部分が十分ではありません。ここが欠如すれば、人間はより動物的になり、通常の法治国家の尺度で物事を考えても定規が合わないと思います。(2009/01/22)

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いただいたコメント

オバマ氏が外交に主体を持っているとは思えません。経済状況を見ても、彼は当面ほとんど外交に手を出さないと考えます。また、彼の経歴を見ても対応力が有るか疑問です。だから、のクリント氏を指名したと思います。前任ライス氏のアメリカでのVisibilityは、アメリカ経済が坂を転がり落ちるのに合わせて任期の後半では激減していたように思います。クリントン氏になったとて、それほど変わらないでしょう。だとすれば予算増加実行の心配よりは予算が付くことの心配をすべきでは?氏の目下の焦点は、対外援助より費用を垂れ流す軍事の蛇口を絞ることではないでしょうか?マスコミや政府が焚きつけている日本の危機とは異なり、アメリカの経済危機は今後の国家のあり方を大きく変える岐路にあります。民衆受けか大統領になれた人のつながりか判りませんが、いずれにせよこれまで出されたオバマ氏の政策は社会主義的かつ合理的歯止めのない財政出動ばかりで、国家予算を超える負債を支えようとしています。その資金をどのように手に入れるかについては、明確なビジョンがありません。そのため多くの識者がドルの凋落を占うほどの通貨供給を実行しようとしています。このようなアメリカが他国へ資金を出すというのは、カラ手形同様です。ジンバブエドルになるとは思いませんが、2倍の額面でも実質価値は半分になる可能性を持つ危機にあって、いくらクリスチャンの国でも論理は通りません。誰でも燃える自分の家に水をかけるのが先で、その次に隣家ではないでしょうか?中国の製品や行動に多くの日本人が疑問を持ち始めています。私はこれが中国の経済発展と教育のアンバランスの結果だと考えています。人口が爆発していたり、貧困にあえぐ国々は私の目からは少なくとも中国より教育が行き届いていないように思います。このような教育というコンセンサス形成に不可欠なものを欠いてるところに資金供給してもざるに水を注ぐようなものです。だから、救援物資が横流しされたり、腐るまで放置されたりすることが起こると思います。注ぐことと同じぐらい受け皿に体をなさせることは重要なことだと思いますが、多くの支援議論ではその部分が十分ではありません。ここが欠如すれば、人間はより動物的になり、通常の法治国家の尺度で物事を考えても定規が合わないと思います。(2009/01/22)

ソマリアで海賊が横行する背景がよく分かりました。しかし日本の船会社の海賊対策に対し「出来レース」と批判されている点は理解できません。機関銃やロケットランチャーで武装した海賊に対して、火器を持ってない船が立ち向かうなど到底無理なのは明白。必要以上に刺激せず人命と貨物を守れる可能性が高い方を選択するのは当然では?セキュリティー・カンパニーが受け入れられなかったのは顧客が望むサービスを提供できなかったのも原因ではないでしょうか。自らの側の問題点には触れず、相手方のせいにする姿勢は子供じみて映りました。(2009/01/21)

オバマのアキレス腱は国内問題に始まり、Gitmo(Cubaにある収容所)の閉鎖問題、Somalia, Sudan, Kenyaから、Pakistan, Afganistan, 朝鮮など選挙活動の時と違った行動をとらざるを得ない事に75%ぐらいのアメリカ国民が1年以内に失望するだろう。海外で人気があるのは、オバマが社会主義的な講演をした為で、同じような行動を出来ないので、海外からも期待外れと1年以内に評価されるだろう。今まで隠してきた学生時代からの種々の個人情報が判明し、一期の大統領となるだろう。2年後の国家選挙で共和党が大促進するのは明白。 現在の民主党が握っているアメリカ議会の支持率が10%以下でここ3年ほど低迷してきた事を皆さん御存知かな。(2009/01/21)

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