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石炭商人の“ジェットコースター”人生

北京五輪をはさんで起きた大暴騰と大暴落

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2009年1月26日(月)

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煤販子的“過山車”

経済観察報記者 汪言安 / 王延春

本紙(経済観察報)の取材に応じた日の午前、付海鈞は少なくとも3組の訪問客と面談した。まず、オーストラリアの鉱山会社の中国駐在代表と、同国での金鉱開発案件について詰めの協議を行い、続いて本紙記者の取材を受けた。さらに、秦皇島(中国最大の石炭積み出し港)から北京に出張してきた石炭流通業界の有力者を慌しく出迎え、目下の危機に対応するための互助グループの立ち上げを話し合った。


中国北部陝西(Shanxi)省Xiaoyiにある炭鉱で、粉じんが舞う中を家路につく作業員(2006年11月30日撮影)©AFP/Peter PARKS

 この血気盛んな石炭商人は、機関銃のように早口で話し、身のこなしも機敏だ。しゃべっている時は、禿げ上がった頭頂部を周囲の髪で隠すように、手で撫でつけるのがクセになっているようだ。金融危機の影響が石炭業界に波及してからは、もともと少なかった髪の毛がますます抜け落ちる日々が続いている。

数多くのブローカーが一夜で破産

 2008年10月中旬のある日、発熱量5500キロカロリーの石炭価格(石炭相場指標の1つで、火力発電などに使われる優良炭の価格)がトン当たり1000元(約1万3000円)を割り込んだ。この時、付の心中に嫌な予感が走った。近い将来、市場に大きな変化が起きるかもしれないと思ったのだ。

 北京オリンピックの開催直前、付を含むブローカーたちは石炭買い占めに狂奔していた。わずか2カ月ほどで、石炭相場はトン当たり600~700元(約7800円~9100円)から同1000元を超えるほどに暴騰した。業界関係者によれば、石炭のトン当たりの採掘コストは80元(約1040円)に満たない。その後の費用を加味しても、流通業者のコストは300~400元(約3900~5200円)にとどまるという。

 無謀とも思える買い占めに走った背景には、それなりの理由があった。オリンピックの開催期間中は、物流が一時的に制限されるため、石炭の流通量が抑えられる。オリンピックが閉幕すれば、石炭を必要とする川下の需要家の消費量は必然的に増える。さらに、中国北部では冬季の暖房用石炭の需要期がすぐにやってくる。ブーム到来は確実と思われた。

 一部のブローカーは、石炭買い占めに惜しむことなく全財産を投じ、借金もいとわなかった。大博打で大儲けしてやろうと、期待に胸を膨らませていた。炭鉱を所有するオーナーたちも興奮の極みだった。何しろトン当たり数百元というぼろ儲けだったのだ。

 需要が旺盛になればなるほど、石炭商人たちの自信は揺るぎないものになった。そして、彼らのゲームのルールは不変だった。先に現金を払わない限り、石炭の現物は引き渡さないのだ。

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