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延べ20億人以上 春節の民族大移動で起きた悲劇

2009年1月26日(月)

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 “春節”とは旧暦元旦を指し、中国の正月を意味する。春節は中国最大の伝統行事であり、「離れていた家族が再会すること」を意味する“団圓”を実現すべく、家族と離れて暮らす人々、出稼ぎ労働者や大学生などが、老若男女を問わず、家族の待つ故郷へ帰ろうと、春節の数週間前から大移動を始める。

 この春節に大群衆が故郷へ向かい、春節後に故郷から現在の生活拠点へ戻るまでの期間約40日間を“春運”(=“春節運輸期間”の略)と呼び、道路(長距離バスなど)、水路(船舶)、航空、鉄道といった公共交通機関は一年中で最も忙しい旅客輸送の時期を迎える。

延べ23億人!日本の総人口の約18倍

 2009年の春節は1月26日であり、今年の“春運”は1月11日から2月19日までの40日間である。国家発展改革委員会の予測によれば、春運の旅客輸送量は延べ23億2000万人に達し、昨年の春運に比べて3.5%増大するものと見込まれている。その内訳は、道路輸送が延べ20億7000万人(1日平均5175万人)、水路輸送が延べ2900万人、航空輸送が延べ2420万人、鉄道輸送が延べ1億8800万人となっている。

 延べ人数とは言え、23億人は日本の総人口1.3億人の約18倍であり、わずか40日間に新生児までも含めた全日本人が18回も長距離の移動をするのに相当する。これはまさに「春節の民族大移動」と言っても過言でない驚くべき規模である。

 春運は春節前15日間と春節後25日間に分けて考えられるが、今年は前者が1月21日から24日まで、後者は1月31日から2月4日までが旅客輸送のピークとなる。旅客が殺到するのは、春節前は北京、広州(広東省)、上海や杭州(浙江省)などの地区であり、春節後は重慶、成都(四川省)、武漢(湖北省)、南昌(江西省)、合肥(安徽省)などの地区である。

家族の元気な顔が見たくて

中国・安徽省合肥の駅で、旧正月に帰郷するため、切符売り場に行列をつくる人びと

2009年1月11日、中国・安徽省合肥の駅で、旧正月に帰郷するため、切符売り場に行列をつくる人びと ©AFP

 遠距離の旅客が最優先する交通機関は鉄道であり、鉄道切符の購入は大仕事である。1月18日付の香港紙「大公報」によれば、広東省では春節前日の1月25日までの鉄道需要は延べ2000万人であるのに対して実際の輸送能力は延べ630万人前後に過ぎず、1月17日午後6時までに630万枚の切符はほぼ完売となり、切符を購入できなかった旅客1400万人は長距離バスなどの別の交通手段を選ばざるを得ないという。

 これらの人々がすべて何らかの交通手段を確保して故郷へ向かうことができるというわけではなく、帰省を諦めて残留する人たちも少なくないのが実情である。

 鉄道切符を購入できたとしても、巨大な人波を掻き分けて予定の列車に乗り込むのも大変な労力を必要とするし、列車に乗り込めば車内はすし詰め状態で立錐の余地もない。トイレに行くことすらできないほどの混雑に耐えて、へとへとになりながら家族の待つ故郷へ向かうのだが、久しぶりに家族の元気な顔を見れば疲れなど吹き飛んでしまうという。

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「延べ20億人以上 春節の民族大移動で起きた悲劇」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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