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中国は大丈夫か[44]行列ができる高級弁当~五輪後の中国経済(2)

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2009年2月6日(金)

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長らく続いた2ケタ成長が終わり、2008年の下半期、中国経済は7~9%成長へと失速した。奇しくも、8月に開催された北京五輪の前後で、経済情勢が一変した格好だ。2008年6~7月に掲載したシリーズ企画「五輪後の中国経済」。第2回は「個人消費」。

* * *

2008年6月23日号より

平均所得は増加。格差拡大と相まって富裕層の購買力は上昇を続ける。撹乱要因になりかねないのがインフレ。物価上昇率は8%に達した。社会不安や収益悪化に、日系企業は警戒感を募らせている。

(飯泉 梓)

 正午。昼食の時間になった途端、長い行列が店内を埋め尽くした。ここは北京市内にあるコンビニエンスストアの「セブンイレブン」。客の目当ては弁当である。

喜んで「衛生的」にカネを出す

 量り売りのような専用の什器に並んだ総菜約10種類の中から2~3種類を選んで、ごはんとセットで買う。価格は1食当たり10元(約150円)程度で、1日250食も売れる。近くに点在する食堂からテークアウトすれば半額程度の弁当もあるが、それでも「高級弁当」への流れは止まらない。

 セブンイレブンの弁当は、厨房が店内にあり、客の目の前でマスクや帽子を着けた店員が調理をする。衛生的な環境で出来たてを提供するため、設備投資にカネをかけた。2004年のSARS(重症急性呼吸器症候群)騒動や、鳥インフルエンザの流行を受けて中国人の衛生に対する関心は高まった。富裕層は、「衛生的」という付加価値にも喜んでカネを出すようになったのである。

図表、年間消費支出(都市部、1人当たり)

 「給与所得の増大によって、国民の購買力は年々押し上げられている」とみずほ総合研究所調査本部の劉家敏氏は言う。経済発展に伴って、都市部の富裕層を中心に“豊かな消費”が拡大しているのはここ数年のトレンドだ。2006年、1人当たりの年間の消費支出は8697元(約13万円)と1998年時点の約2倍になった。加えて、北京五輪という世紀の祭典を目前にして消費意欲も高揚している。


年平均10%増大する可処分所得

 世界の工場から世界の市場へ――。海外の企業が中国人の財布目当てに相次いで進出するのは、国民の可処分所得が増え続けているからだ。都市部1人当たりの年間可処分所得は2007年で1万3785元(約20万円)。2000年の6280元(約9万4000円)の2倍以上あり、年平均で10%も増大している。

図表、階層別年間可処分所得(都市部、1人当たり)

 依然として年間可処分所得の伸びが最も大きいのは上位10%の「最高所得者層」である。2006年で3万1967元(約47万9500円)あり、2000年の約2.4倍になっている。それに次ぐ高所得者層(上位10~20%)や中の上の所得者層(同20~40%)の伸びも大きい。最低所得者層の可処分所得は1.3倍程度だから、格差拡大を背景とした消費拡大という側面もある。

 中国経済が直面している大きな問題の1つがインフレだ。物価が急騰すると、国民の実質所得の減少をもたらし、消費が低迷したり社会が混乱したりする。中国のCPI(消費者物価指数)上昇率は、昨年まで6%台にとどまっていたが、今年4月に8.5%まで急伸した。だが、中国に進出している日系の流通各社は、その影響はわずかだと踏んでいる。対象とする顧客層の可処分所得は、物価上昇率を上回る勢いで増えているからだ。

 現に、商店やスーパーと比べれば価格設定が高いセブンイレブンの来店客数、来店頻度は順調に伸びている。「客層が拡大すると同時にリピーターも増えている」とセブン-イレブン北京の牛島章社長は言う。おにぎりなど「日本発」を売り物にする高付加価値の商品が売り上げを牽引し、既存店の1日当たり平均売上高は前年に比べ30~40%伸びている。

値上げしても客足鈍らず

 上海で285店を展開するローソンも基本戦略は同じ。所得の伸びに応じて付加価値の高い商品へとシフトさせており、価格帯も上がっている。原材料や燃料の価格高騰を背景に、値上げに追い込まれた商品もあるが「価格転嫁をしても、販売量は落ちない」と上海ローソンの長谷部淳副社長は言う。

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