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中国は大丈夫か[45]襲いかかる電力不足~五輪後の中国経済(3)

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2009年2月9日(月)

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長らく続いた2ケタ成長が終わり、2008年の下半期、中国経済は7~9%成長へと失速した。奇しくも、8月に開催された北京五輪の前後で、経済情勢が一変した格好だ。2008年6~7月に掲載したシリーズ企画「五輪後の中国経済」。第3回は「エネルギー需給」。

* * *

2008年6月30日号より

四川大地震によって、電力不足はさらに深刻になることが確実だ。政府は巨額の設備投資で対応するも綱渡りの供給が続く。エネルギー多消費型の産業構造の転換が急務になる。

(佐藤 紀泰)

 「大地震でたくさんの仲間を失い、建屋のほとんどが崩れた。だが、今も1日2交代勤務で60人の社員が働いてくれている。少しでも早く生産を回復したいとの思いからだ」

 四川大地震で大きな被害を受けた中国重電大手、東方電気集団(四川省成都市)の漢旺工場で、李伝軍・第4分工場長は言葉を絞り出すように語った。

計画の8割達成がやっと

 漢旺工場は震源地から30km離れた綿竹市北部の山の斜面にあり、石炭火力発電所向けタービンを生産する中国屈指の生産拠点だ。だが、主力部品であるタービン翼などを受け持つ10近い建屋が倒壊。唯一、原形をとどめていたのがタービンを覆う鋳物製の大型容器「ケーシング」を加工する第4分工場だった。

 地震から25日目の6月6日に操業を再開した。窓ガラスは粉々に割れ、ほとんどのクレーンが動かない。それでも、李工場長は「ここでしかケーシングは加工できない。余震の恐れがあっても、この工場は動かす」と言う。

 東方電気の温樞剛社長は「顧客の電力会社に迷惑をかけられない。今年も当初計画の8割は達成できるように全力を尽くす」と語る。

 中国では、昨年1年間で合計約8000万キロワット(kW)分の石炭火力発電所が建設された。標準的な大型発電所に換算すれば130カ所以上。その3割程度が東方電気製だ。

 東方電気は今年も2500万kW分の納入を計画していたが、電力不足に悩む沿岸部の電力会社から要請を受けて、2800万kWに上方修正したばかりだった。しかし今は、2100万kW程度しか生産できるメドが立っていない。

 東方電気の温社長は長年の提携関係にある日立製作所に対し、タービン翼など基幹部品の緊急増産を要請した。東方電気の幹部も部品の外注先を増やすために全国を走り回っている。

電力供給制限は「夏場の風物詩」だが…

図表、日本と中国の用途別電力需要

 温社長らが必死なのは中国の電力供給への影響を食い止めたいからだ。この4年間、広東省や上海市周辺など沿岸部の工業地帯で、夏場の電力の供給制限が頻発していた。東方電気が今年から本格納入するのは超大型火力発電設備(出力100万kW級)が中心で、「電力不足解消の即効薬」と期待されていた。電力不足がさらに深刻化しかねない状況で、東方電気の復活をかけた挑戦はまさに時間との戦いだ。

 経済の急成長が続く中国で、電力不足は深刻なアキレス腱として浮上してきた。産業界への電力供給制限は、もはや「夏場の風物詩」だ。中国政府の予想をはるかに超えた電力消費の伸びが続き、電力不足の抜本的な解決は極めて難しい状況にある。


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