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変わる米国、高齢者も働く社会へ

金融危機で老後の蓄えが大幅に目減り

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2009年1月30日(金)

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Chris Farrell (BusinessWeek誌、経済エディター)
米国時間2009年1月21日更新 「Why You'll Work Through Your Retirement

 生涯現役を貫け――。目下の米国の経済危機は、これから退職年齢を迎える米国民にこんな重大な社会的・文化的メッセージを発している。

 実際、現在の景気後退は、米国民が長年、薄々感じていた新たな現実を如実に示している。人生の残りの3分の1を働かず悠々自適に過ごすというのは、大方の米国民にとってもはや現実的な選択肢ではないのだ。

 別の言い方をしてみよう。様々な調査で、高齢化したベビーブーム世代の大半が老後も働き続けるつもりでいるという結果が出ているが、そうした人生設計が現実のものになろうとしている。

社会保障法の制定に至った米国の歴史的経緯

 景気低迷は往々にして変化を加速させる。例えば、米国では19世紀後半、地方中心の農業経済から都市中心の産業経済へと移行した。老後と言うと、富裕層は余暇を楽しむ人生の期間ととらえていたが、それ以外の人にとっては仕事を失い、家族や慈善団体、地域団体に衣食住を頼る屈辱的な依存生活を強いられることを意味していた。改革推進派は、貧しい孤独な高齢者のために一定の経済的セーフティーネット(安全網)が必要だと訴えた。

 そこに大きな変化をもたらしたのが世界大恐慌だった。家計、とりわけ高齢者世帯にとっては経済的大打撃となり、「苦労して築いた資産を失い、それとともに自立した安全な老後生活の希望が目の前で崩れ去った」と、歴史学者のキャロル・ヘイバー氏とブライアン・グラットン氏は共著『Old Age and the Search for Security(仮訳:老後とその安全の確保)』の中で書いている(まさに今、そう感じている人がいるだろう)。それまで、中産階級は政府によるセーフティーネットの創設に反対していたが、大恐慌に伴ってそうした意見は鳴りを潜め、1935年に米社会保障法が制定された。

 ヘイバー、グラットン両氏は、「各世帯の家計が現実に破綻したり、破綻の危機に直面していたこともあり、社会保障制度は広範な支持を集めた」と述べている。

 米国民が今も抱いている老後のイメージは、第2次世界大戦後の数十年間に形成されたものだ。社会保障制度のおかげで高齢者の貧困率は大幅に下がった。1965年には、米国の65歳以上の高齢者を対象としたメディケア(高齢者向け公的医療保険制度)が創設された。また米国企業は従業員に対し、給与額と勤続年数に応じた確定給付型年金を提供するようになった。

 米国の退職者が独特のライフスタイルを形成したのはこの頃だ。気候の温暖な米南部へ大挙して移住し、RV(多目的レジャー車)を乗り回したりバス旅行に出かけたり、毎朝長時間をゴルフに費やすなど、悠々自適の生活を送った。現代の年金生活は20世紀の偉大な社会的成果だと言える。

 ところが21世紀に入ると、老後生活を支える経済環境に変化が起こり始めた。

長生きし、老後も働く

 プラスの変化は、米国民が長生きできるようになったことだ。現在の平均寿命は約78歳と、社会保障法が制定された当時の61歳から大幅に伸びている。またその頃より国民の健康状態も向上し、健康的なライフスタイルと医療の進歩の相乗効果で、障害を持つ高齢者の割合も低下している。

 経済や職場が劇的に変化し、高齢者にとって働きやすい環境が整備されつつある。情報・サービスが経済の中心となることで、高齢者が働き続ける社会に移行しやすくなる。簡単に言えば、コンピューターを駆使した医療診断や政府の事務手続きは、自動車の組立ラインや金の採掘現場で働くより体力的な負担がはるかに少ない。

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