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米大統領選に見るデータ活用術

浮動層のオバマ支持獲得に貢献した「マイクロターゲティング」

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2009年1月31日(土)

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Stephen Baker (BusinessWeek誌シニアライター、ニューヨーク)
米国時間2009年1月23日更新 「What Data Crunchers Did for Obama

 2009年1月20日、バラク・オバマ米新大統領が就任演説を行った。演説開始から3分経過した頃、オバマ新大統領はこれまでの大統領就任演説では耳にしたことのない言葉を使った。「データ」である。経済などの危機を示す指標に関連して、データという専門的な響きの言葉を使ったのだ。しかし、この言葉が新大統領の演説に出てきたのは単なる偶然ではない。データの活用はオバマ氏の大統領選勝利には欠かせないものだったからだ。

 選挙戦中、オバマ陣営が民主・共和両党のライバルに差をつけたのはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用やインターネットを使った献金獲得だけではなかった(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年3月5日「On the Web, Obama Is the Clear Winner」)。自身の支持に回る可能性のある浮動層特定のためのデータ戦も繰り広げられていたのだ。

 データ戦の対象地域は1000~2000票の浮動票が選挙戦の帰趨を左右する激戦州と下院選挙区に集中した。つまり、ターゲットは全有権者のほんの一握りに過ぎなかった。それでも、その一握りの浮動層を特定するため、両党は莫大な消費者情報や人口統計データの分析を専門技術者に依頼。集められる限りの個人データを収集し精査した。

有権者を10のグループに分類

 民主党系政治コンサルティング会社の米スポットライト・アナリシスは浮動層の把握に並々ならぬ努力を費やした。オバマ陣営が直接の顧客だったわけではないが、民主党候補者を支援するため、地元有権者の地域特性、家族構成、購買行動などを分析。その後、全米の有権者1億7500万人のほぼ全員を、価値観に基づいて10のグループに分類した。同じ「価値観」グループに属する人々は、人種や信教、所得階層も同じとは限らないが、神、地域社会、職責、機会など、政治を超越した部分で同じ価値観を共有している。

 その中でも、道義心の強い(信仰心が強いとは限らない)「バーンレイザー」と呼ばれる約1400万人の有権者グループが、オバマ氏と共和党対立候補ジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)の勝敗を分けたとスポットライトは見ている。

 バーンレイザーの区分定義は、データ分析により有権者の特性を詳細に把握し分類するマイクロターゲティングと、従来の政治的な有権者分類法との違いを端的に表している。

 どの人種、信教、民族の人でもバーンレイザーに分類される可能性があり、バーンレイザーの約40%は民主党員か民主党寄りの有権者で、共和党支持者は27%だ。ただし、2004年の大統領選ではこのグループはブッシュ前大統領の再選を強く支持した。

 バーンレイザーはスポットライトが分類したほかの浮動層グループと比べ、大卒率がやや低い。地域団体には積極的に関わるが、政府に対しては肯定・否定的感情が入り交じっている。また、スポットライトの定義によれば、「ルール順守」と「約束厳守」を人一倍重視する人々だ。

 米サービス従業員国際労組(SEIU)や米民主党上院選挙委員会(DSCC)などのスポットライトの顧客は、バーンレイザーに特に力を入れて働きかけることで、フロリダ、ノースカロライナ、バージニア、オハイオなどの激戦州での勝利を目指した。

 こうしたデータに基づいた選挙戦術は、スーパーの特定顧客層を狙った販促活動やテロリスト捜索の手法に似ており、政治は、米グーグル(GOOG)などネット検索大手を連想させるような複雑なデータ解析へと向かいつつある。コンピューターが一瞬で有権者を分類し、個々の有権者が共和党支持もしくは無党派から民主党支持に変わる可能性を推計するのだ。多くの人はこれを政治が機械的で血の通わないものになる兆候と見ている。

 その一方、膨大なデータから必要な情報を抽出する“データマイニング”を政治的に利用することで、こうした分析なしには見過ごす恐れもある個々の意見や関心事を把握しやすくなるという反論もある。

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