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トヨタ、“聖域なき”経費削減

景気低迷以外にも原因あり、強気の拡大路線が裏目に

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2009年2月4日(水)

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Ian Rowley (BusinessWeek誌、東京支局特派員)
田代弘子 (BusinessWeek誌、東京支局記者)
米国時間2009年1月28日更新 「Toyota's Cost-Cutting Drive: Making the Tough Choices

 トヨタ自動車(TM)にとって、コスト削減はお手のものだ。近年も社員の提言を受けて小さな「カイゼン」を積み重ね支出を抑えることで、年間約3000億円もの経費を削減してきた。

 だが現在、世界的な新車販売の落ち込みが深刻化し、トヨタでは70年ぶりの通期赤字が予想される中、過剰なまでの経費節減努力が始まっている。昨年秋には「緊急収益改善委員会」を設置、今年さらに約1300億円の費用削減を目指す。

 業績悪化が危険水域に達すれば、“聖域”などなくなる。今後3カ月で、国内では5000人の非正規従業員を削減し、減産規模は年間生産能力の40%に当たる45万台にまで拡大する見通しだ。国内報道機関は、北米と英国で1000人の正社員削減が検討されていると報じている。トヨタ側は、すべて未定であり雇用維持に最善を尽くすとしているが、もし現実となれば、正社員の削減は1950年以来の2度目となる異例の事態だ(BusinessWeek.comの記事を参照:2009年1月22日「Will Toyota Cut U.S., British workers?」)。

 社内では爪に火を灯すような節減の取り組みが行われている。電気代節約のため、エレベーターでなく階段を使うよう社員に呼びかけ、工場内では暖房温度を低く設定し、従業員は厚着をして対応している。

 また、1月19日に開かれたSUV(多目的スポーツ車)「レクサスRX」の国内発表会の際、開発を指揮した勝田隆之チーフエンジニアほか2人は、愛知県豊田市の本社から東京本社まで車でやって来た。新幹線なら1時間半だが、電車代約2万7000円を節約するため4時間がかりで移動したのだ。

 6月に次期社長に就任する創業家出身の豊田章男副社長は1月20日、「これは100年に1度の危機的状況だ」と報道陣に語った。

 次期社長への就任を発表する記者会見でさえ(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2009年1月27日「米誌が伝える、トヨタ“大政奉還”」)、コスト削減の影響を免れなかった。従来のようにホテルの会場ではなく、東京本社1階のショールームで、展示中の「プリウス」や「カローラ」を片づけ、パイプ椅子を運び込んで質素に行われた。

景気低迷以外にも原因が

 危機に対する迅速なコスト削減はトヨタの“お家芸”だが、現在抱えている問題の一部は、トヨタらしからぬ上層部の市場の読み違えに起因しているとも言える。確かに世界中のどの自動車メーカーも景気低迷の打撃を受けている。だがそれに加えて、近年の急激な規模拡大、旧態依然の国内生産への依存、規模拡大に伴う意思決定の遅れが、トヨタの苦境に追い打ちをかけた。

 トヨタは2001年以来、中国からチェコ共和国まで世界中に生産工場を新設し、毎年50万台前後の生産能力増強を行ってきた。時代に先駆けてハイブリッド車のプリウスを開発し高い評価を得たトヨタは、2006年末に米テキサス州にピックアップトラック「タンドラ」の巨大生産施設の操業を開始。しかし、そのわずか数カ月後に米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題が勃発した。

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