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中国は大丈夫か[50]「帰ってきた男たち」の挑戦~チャイナ・パワーが日本を変える(3)

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2009年2月17日(火)

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 行く人あれば、来る人あり。中国が「世界の工場」になる過程で多くの日本人が中国へと渡った。その人たちが帰国したり、中国人作業員が来日したりすることで、日本の「内なる中国化」も始まった。日本への留学経験がある中国人や、中国から帰化した人たちの影響も大きい。

* * *

2002年9月23日号より

 世界経済が融合していく時代に、企業は中国という「現実」から目をそらすことはできない。中国進出だけが生き残りの道ではない。国内産業復活のカギは日本にあって中国を知る者たちの知恵を借りることだ。あなたの知らない、「内なる中国」の最前線へご案内しよう。

(田原 真司)

 立神汎は2000年7月、10年間の長きに及んだ中国駐在に終止符を打ち、日本に帰国した。61歳の立神は、広東省深セン市にあるリコー深セン工場の立ち上げを準備段階から陣頭指揮、日本の御殿場事業所(静岡県御殿場市)と並ぶ複写機の主力工場に育て上げた。その実績を引っ提げての凱旋だ。新天地は、トナーや感光体など化成品の生産拠点、沼津事業所(静岡県沼津市)である。

中国で10年間やってきた視点

 1962年の入社以来、立神は新工場の立ち上げやハードウエアの生産革新に一貫して携わってきた。化成品は未知の分野である。リコー社長の桜井正光は、新たな使命をこう告げた。

 「中国で10年間やってきた視点から、沼津の何が変えられるか。それを考えて実行するのが君の仕事だ」

 沼津事業所に何か問題があったわけではない。同事業所は、リサイクルや省エネルギーなどの環境対策で世界の最先端を行く。しかも十分な利益を上げている「強い工場」だ。前任の事業所長の飯田正明は、徹底したリサイクルで工場の廃棄物を完全になくす「ごみゼロ」を99年に実現。環境に優しいだけでなく、ごみの廃棄費用そのものを帳消しにし、年間8000万円ものコスト削減を達成した。「環境対策はカネ食い虫」という産業界の常識を覆し、競合他社をあっと言わせた。

 その後釜に指名された立神は、工場を一巡りするとこうつぶやいた。

 「環境対策には恐れ入った。だが生産工程にはムダがある。強いところを生かし、弱いところを刷新すれば、強い工場をさらに強くできる」

「人の力」をいかに引き出すか

 生来、思い浮かぶとじっとしていられない性格である。そんな立神にとって、10年をすごした中国は理想のフロンティアだった。深セン工場の全権指揮官として、日本の本社に口出しされることなく何でも実験できたからだ。

 とりわけこだわった命題が、「人の力」をいかに引き出すかだ。例えば、職種に応じて何のインセンティブをどのくらい与えれば、生産性や社員のモチベーションを最高にできるか。実験を繰り返しながら最適解を探った。製造現場では、作業者の能力を極限まで引き出そうと、組み立てを最初から最後まで1人で完結させる「セル生産方式」を中国でいち早く導入した。

 しかしトナーや感光体は、複雑な化学プラントで作る典型的な装置集約型の製品である。その対極にある労働集約型の深セン工場の経験を、一体どうやって生かすのか。

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