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中国は大丈夫か[51]ケイレツはこうして移植された~トヨタ中国生産方式(1)

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2009年2月18日(水)

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 1月の国別新車販売で、中国が史上初めて米国を抜いたもようだ。金融危機の影響で中国の販売にも陰りが見えているものの、日本車メーカーは総じて健闘している。今に至るまでには、裾野産業を現地で根づかせた部品メーカーの奮闘があった。

* * *

2002年9月16日号より

 2002年10月8日、トヨタ自動車は中国における初の乗用車合弁生産を始める。政府の認可が簡単には下りず、進出表明から8年経って実現した悲願だ。生産拠点となる天津市には日系部品メーカー20社以上が集結する。トヨタの要請で先行進出したものの、その多くが苦難の日々を過ごした。異国で実現する「かんばん方式」の隠れた主役は部品メーカーだ。

(谷口 徹也=香港支局)

アラコ

 「『先入れ先出し』というのはだな、先に納入された部品から先に使うこと。つまり、古いものから使うってことなんだよ。分かったか?」

 8月上旬のある日、天津市内にある自動車用シートメーカー、天津華豊汽車装飾の事務所を訪ねると、大島勝三総経理が傍らの中国人社員に説明する張りのある声が耳に飛び込んできた。

トラックは1時間おきに毎日10便

 同社は車両組み立てとシートなどを手がけるアラコの中国合弁会社。天津トヨタ自動車への納入開始に向けた体制作りが最終局面に入っている。

 「準備は99%整った」と大島総経理。煉瓦造りの事務棟の横には、今年完成したばかりの真新しい工場が建っている。天津トヨタの生産開始に合わせて作ったもので、設備も大幅に刷新した。日本人駐在員は3人だったが、天津トヨタ設立直後の2年前に3人増員。さらにこの数カ月、出張ベースの応援者を15人呼んで立ち上げに備えている。

 トヨタにとって初めての中国現地生産車となる「T-1(仮称)」にはグレードが3つあり、シートの材質などがそれぞれ異なる。天津華豊汽車装飾は天津トヨタが生産するグレードの順番にシートを並べて納入しなければならない。トラック1台に載せられるT-1のシートは15台分。このトラックをほぼ1時間おきに毎日10便送り出す。順番がファクスで最終的に通知されるのは当日だから、気の抜けない細やかな対応が求められる。

 天津華豊汽車装飾は、1994年にトヨタが中国合弁生産の意向を示し、それに協力する形で進出した部品メーカーの典型で、設立は95年だ。トヨタの要請を受けたとはいっても、トヨタ自体の合弁生産は始まっていないから、トヨタが技術支援をしていた天津汽車グループのメーカーと合弁を組んで、天津汽車向けにシートを納めてきた。

「今日はいらない」「今日は2倍持ってこい」

 主力となる「夏利(日本名シャレード)」は95年に合弁会社を作って以来、一度もモデルチェンジがなく、シートも1種類だからほぼ単品生産だった。天津トヨタへの対応の難しさは以前と比べものにならないが、むしろ大島総経理はほっとした表情を浮かべる。

 「これまで完成車の生産計画なんてあってないようなものだった。予定通りに納品しても『今日は要らない』とそのままトラックを戻されたり、反対にある日突然、『今日はいつもの2倍持ってこい』と言われたり。トヨタは1カ月前に日々の生産計画を通知してくれる。ようやく正常な状況になったというところですよ」

 確かに、進出当初から収益性が高いといううまみはあった。昨年の世界貿易機関(WTO)加盟まで、輸入車には高関税がかけられ中国の自動車産業は手厚く保護されていたからだ。完成車の価格は日本と比べて約2倍。部品もほぼ言い値で売れた。天津華豊汽車装飾も設立初年度から黒字経営だった。

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