Kenji Hall (BusinessWeek誌、東京支局テクノロジー担当記者)
米国時間2009年2月12日更新 「Pioneer's Plasma TVs: R.I.P.」
世界第4位のプラズマテレビメーカー、パイオニア(6773.T、本社:東京)が2月12日、薄型テレビ事業からの撤退を発表した。景気低迷で黒字化の望みが絶たれたためだ。
今年のテレビ販売見通しは極めて厳しく、パイオニアの撤退は、薄型テレビ業界の再編が近いことをうかがわせる。また、パイオニアの思い切った決断は、日本のハイテク企業におけるブランド戦略の変化も浮き彫りにしている。デジタル家電の中心的存在であるテレビへの依存度が低下しているのだ。
その結果、十数社がひしめく国内電機メーカーの勢力図の塗り替えにもつながっている。つい最近も、日立製作所(HIT)、NEC(6701.T)、富士通(6702.T)、東芝(6502.T)が不採算の家電部門の縮小や廃止を決定したばかりだ。
今後、パイオニアは自社開発を直ちに中止し、2010年3月までにテレビ事業から完全撤退する。その後は、オーディオ機器やセットトップボックス(ケーブルテレビなどの専用受信機)、カーナビ技術へ軸足を移す方針だ。この構造改革に伴い、今年中に正社員3万6900人の16%に当たる6000人、派遣・請負社員4000人の削減も予定されている。
同社の小谷進社長は、「当社が他社に先駆けて進めてきた事業から撤退するのは断腸の思いだ。しかし、予想をはるかに上回る市場環境の急変で、採算を維持できなくなった」と記者団に語った。
2008年第3四半期(10〜12月)決算では、売上高が38%減の1312億円、営業損益は前年同期の68億円の黒字から107億円の赤字に転落。純損益も、前年同期の16億円の黒字から261億円の赤字に落ち込んだ。2008年度通期の業績予想では、売上高5600億円、営業損失は690億円と見込まれている(会計基準の変更に伴い、前期の数値は米国会計基準に、今期の数値は日本会計基準に基づいて算出されている)。
パイオニアは、今手立てを打てば回復ペースは速まると期待する。小谷社長は「改革を断行し、一刻も早く黒字転換を果たすことが最優先課題だ」とその覚悟を語った。
シェア獲得競争での敗北
テレビ事業はかつてパイオニアの“希望の星”だった。2007年には富裕層に狙いを定めた高級志向の新シリーズを発表したものの、景気の減速やテレビ価格の下落で、薄型テレビメーカー各社の低価格品へのシフトが進んだ。
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