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「貧者のミサイル」を止める
「ボラード」

  • 白土 晴一

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2009年2月25日(水)

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 リサーチャーの職業病かもしれないが、些細なことが気になって仕方がない。

 先日も四谷界隈を歩いている途中、路地の真ん中に四角い何かが建っているのを見かけた。それが何だか分からなくても、私の人生には何の差し支えも無いはずである。 しかし、一度気になると我慢出来なくなってしまい、通り過ぎた道をひき返し、わざわざ確認に戻ってしまった。

進入禁止、違法駐車除け、そして交通対策に

 そこにあったのは、石造りの古めかしいボラード(車止め)。大きな文字で「車止」と刻まれているのだから間違いない。この道の先が階段になっているため、車が入らないように設置されたのだろう。

 疑問が解け、ホッとした気持ちでそこを離れたのだが、どういう精神作用が働いたのか、今度は町のあちこちにあるボラードが気になるようになってしまった。

 我ながら、面倒くさい性癖だと思う。


 町のボラードをチェックするようになって思ったのは、我々は地味なところで彼らの世話になっているということ。

 歩行者や車が大量に行き交う都市では、至る所に杭・柱状のボラードが配置され、車の進入規制や道路の誘導などに活用されている。特に、繁華街などで車道と歩道の間にボラードが設置されていると、違法駐車の数が極端に少なくなっているのを実感出来る。


 考えてみると、自動車が道路を走り回る以前から、路上のボラードたちは地味だが効果的なエリアマネージメントの道具として働き続けてきたのだろう。彼らは目立つ存在ではないが、侮れない効果を発揮する。

 ただし、あれこれ調べてみると、「派手なボラード」というものもある。

 それは、近年ヨーロッパ、特にイギリスの都市部などで普及してきた、自動的に昇降するライジング・ボラード(オートマチック・ボラード)。

ライジング・ボラードの参考映像

イギリスのHEALD社のオートマチック・ボラード  >>
可動式ボラードとは何か? まずはこちらを。英国警察長協会(APCO)の認可を受けたHEALD社は、交通規制やセキュリティー用の車輌阻止システム開発に定評があるメーカーだ。

http://www.heald.uk.com/(公式サイト)より

自動で上下するだけじゃないか!と思ってはいけない。ICカードやセンサーなどの技術と組み合わせ、進入する車輌を選別する性能を持たせることで、都市の道路混雑を解消する有効な手段となる。

 つまり、公共交通機関や緊急車輌などの許可された車が通過する時だけ自動的に下がるように設定し、一般車の乗り入れを規制することで、市街地の交通量を効率良く制御出来るのだ。

 ロンドンやマンチェスターのバス専用レーン、ブダペスト・マルギット島のような一般車輌乗入禁止の観光地などでは既に導入されており、新たな交通コントロールの切り札として、脚光を浴びている。

 

強行進入してきて「亀の子」状態に

 ただし、上昇するボラードに気付かず接触・衝突する事故や、無理に進入しようとして車ごと乗り上げてしまう事故が絶えないという問題があり、安全面でのさらなる研究・開発が進められている。

ボラード事故の映像

Never mind the bollards! ? video Updated 10.54 Wed Jan 14 2009  >>
イギリスのIndependent Television Newsより
いつもは地面に埋まっており、運転席からは見えにくいため、信号や遮断機などが設置されることもあるが、それでもこうした「乗り上げ事故」が絶えない。

Dutch bollard runners May 14, 2007
オランダのThe Car fanatic.comのYouTubeチャンネルより
ここでも「亀の子」状態の車が…。イギリス以外のヨーロッパ各国でも設置が進んでいるため、事故が発生している。観光客がレンタカーなどで事故を起す可能性も高そうだ。ご注意を!

 また、「貧者の巡航ミサイル」と言われる自動車爆弾テロの台頭で、ボラードの役割が大きくなったことも注目されるべきだろう。大量の爆薬物を満載した自動車で爆破対象に突入するテロの増加により、車輌の進入を阻止するボラードの価値が再認識されたのだ。

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