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中国は大丈夫か[56]失敗を呼ぶ通説の過信~誤解だらけの「世界の工場」(3)

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2009年2月25日(水)

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 生産拠点としての中国を語る時、多くはこんな言葉が用いられた。「労働集約型の産業」「大量生産品を移管」「賃金は日本の20分の1」…。誰も異論を挟むことのなかったこれらの枕詞は、説明の道具としては便利だ。しかし、実態はそんなに単純ではなかった。

* * *

2004年2月2日号より

 中国の急激な変化は新たなチャンスを生むばかりではない。新たなリスクもまた日々生まれている。制度改正は外資系企業に有利に働くとは限らず、市場原理に目覚めた国民の意識もまた変わる。中国ブームで冷静な目を失った外国企業側の問題もある。中国について巷間言われる通説を鵜呑みにしない経営の目は大切だ。

(香港支局 谷口 徹也)

 「中国で失敗した日系工場の多くには共通点がある。コスト競争力や品質など工場側には問題がないのに、日本の本社が自ら子会社の首を絞めてしまっていることだ」。香港にあるオリックスアジアの野中児郎董事はこう話す。同氏は、オリックスは生産設備のリースを通じて、中国で生産活動を営む多くの中小企業を見てきた。

放漫経営の温床に

 東莞市にある日系バネメーカー、奄美弾簧の名島清行董事長もオリックスアジアの野中氏と同じような事例を間近で見ている。例えば、深セン市にある樹脂成型メーカー。中国で10年の歴史を持つこの会社は成型機を約50台並べ、日系としては規模が大きい方だった。日本の技術と品質を求める完成品メーカーの注文を集めて事業を拡大していた。ピーク時には売上高が10億円を突破したこともある。

リスク① 「本社が中国拠点の敵」

 ところが本社側は毎年1億5000万円ものカネを配当などの形で日本に吸い上げていた。ほぼ、利益の全額を送金していた計算である。日本のオーナー社長はマンションの購入など不動産投資には熱心だったが、中国工場の設備増強には関心が薄かった。サラリーマンの工場長はオーナーにもの申すこともできず、規模の拡大に遅れ、設備も満足に更新できないまま、新興勢力との戦いに敗れた。

 放漫経営がたたって日本の本社は倒産。清算の段階で名島董事長は中国工場の救済買収に名乗りを上げた。最後は元の従業員が共同で株を買い取り、名島董事長はアドバイザーとして側面支援することになった。

中国工場を便利な金づるではない

 「仕事が多い中国なら儲かる、日本で苦しくなったから中国へ、というのは10年も前ならホントだったが、今はウソ」。10年前、東京の中小メーカーから一念発起して出てきた名島董事長は実感を込めて言う。当時はまだ日系メーカーが少なく、製品の売値も高く設定できた。しかし、進出企業も一巡して価格競争で粗利益率は下がる一方だ。「うちは設備の償却は終わっているし、新しい機械は内作だからまだいい。新しく出てくる会社は、誰にも負けない技術か、一気に規模を拡大できる資金力が必要。中国工場を便利な金づるだと思っている本社があったら大間違いだ」と名島董事長は言う。

リスク② 「誠実低廉とは限らない」

 「最近、こんな相談が2つ立て続けに来た。単なる偶然とは思えない」と日系中小メーカーの落とし穴を指摘するのは日本貿易振興会(JETRO)香港センターの投資アドバイザー、喜多代晃氏だ。

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