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中国は大丈夫か[63]ウォール街経由の出戻り起業家~中国は世界の工場(4)

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2009年3月6日(金)

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 「世界の工場」。このキーワードが広く使われるきっかけとなったのが、2000年11月に掲載された特集記事「気が付けば 中国は世界の工場」である。テレビ、洗濯機、冷蔵庫など、すでに世界シェアトップの中国製品が数多くある実態から、大きく変わりつつある中国企業の姿まで、現地取材を敢行して描いた。

* * *

2000年11月27日号より

 1999年の中国の輸出額は3年前から5兆円増え21兆円に急伸した。この年、日本は4兆8754億円もの中国製品を輸入。中国は初めて欧州連合(EU)を抜き、米国に次ぐ対日輸出国に躍り出た。気が付けば、中国は「世界の工場」になっていたのだ。米国に情報技術(IT)で先行を許したうえ、製造業の優位性まで中国に奪われてしまうのか。日本の21世紀は、中国との付き合い方にかかっている。

(谷口 徹也、田原 真司、山崎 良兵)

中国に対する迷信 3

× 政府の指示でしか動かない前近代的経営である

○ 欧米流を貪欲に吸収、競争も激化

 10年間で生産台数は4万台から266万台へ66倍に、売上高は48倍に急拡大した洗濯機大手の小天鵝集団の本社と工場は、上海から高速道路に乗って2時間程度の江蘇省無錫市にある。いわゆる新興ハイテク企業とは異なり、町の中心部から少し離れた住宅地の中にその姿を現す社屋は、歴史ある国有企業の面影を残す。

国内シェア22%、34カ国へ輸出

 しかし、規模もさることながら何より変わったのは経営そのものだ。

 「この10年間は激変の時代だった」。しみじみと朱徳坤董事長が話すのも無理はない。かつての小天鵝は他の多くの国有企業と同様、商品企画から製造、販売まで政府に指示されるがままだった。それが災いして、1990年頃、不良在庫の山を築き、倒産寸前まで追い込まれたこともある。それが今では洗濯機の国内シェアが22%、34カ国への輸出も手がけるなど家電業界の優良企業へと生まれ変わった。

小天鵝は矢継ぎ早に新しい販売戦略を打ち出す

小天鵝は矢継ぎ早に新しい販売戦略を打ち出す

 改革開放政策で市民が豊かになり、需要が増えたという事業環境ももちろん追い風だった。だが、それ以上に朱董事長が経営の自由度を生かして社内、社外で仕掛けた経営改善が着実に実ったことが大きい。

 社長就任後、まず90年代初期に力を入れたのが営業改革だ。当時、全国に125カ所あったすべての有力百貨店と取引を始めた。まだ洗濯機もさほど普及していない時期だ。自社製品を富裕層に知ってもらい、高級ブランドのイメージを付けることが将来の販売増につながると考えた。全販売量に占める百貨店での比率は最高の時で60%にも達した。

 流通網が発達し、普及率も高まってきた96年には戦略を転換した。いわゆる町の家電店ルートを強化し始めたのだ。一気に生産規模を拡大する時期だと見て、大量販売に適した方法に変えた。

市場に合わせて変革し続ける

 洗濯機メーカーのみならず、冷蔵庫やテレビの専業メーカーなど様々な競合が出てきて価格競争が激しくなったのはここ3年ほどのこと。それまでの大量販売だけでは収益面で苦しくなると見た朱董事長は、今度は流通業者と手を結ぶ戦略に出た。1年間でどれだけ売るか、そして利益をどれだけ取るかを事前に話し合い、双方で販売戦略を立てる同盟関係を結んだわけだ。

 価格が高いことが販売の阻害要因になっているなら、仕入れ値を下げたり販売要員を派遣したりする代わりに販売量を約束させる。1000台以上注文がまとまるなら、ボタンの位置やデザインを流通業者の指示に合わせるプライベートブランド商品を特別に作るといった具合だ。

 「世界的にはメーカーと流通が戦略同盟を結ぶことはよくあること。一緒になって考えることで、売り上げを伸ばすための良い知恵も生まれてくる」と朱董事長は話す。

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