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“人肉検索”が暴き出した 「あの役人、キャデラックを乗り回してます」

不動産局局長のゴージャスな私生活

2009年3月6日(金)

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 2008年12月10日、江蘇省の省都、南京市の江寧区“房産(不動産)管理局”局長の周久耕は江寧区の会議の席上で公然と次のように述べた。

 「マンションを原価より安く販売する開発業者に対しては、物価部門とともに調査したうえで処罰し、マンションの建設中止を防止せねばならない。調査は開発業者がマンションの販売価格を引き下げて赤字販売するのを罰するのが目的ではなく、赤字販売による資金不足でマンション建設が中止されたら頭金を支払った庶民が泣きを見るからである。私は庶民に対してその責任を負わねばならない」

 周局長が言及したマンションの安値販売とは、年末を控えて現金を必要とする開発業者たちが1平方メートル当たり2000元(約3万円)ほどの値引きを行うことでマンション販売を促進しようとしていることを指していた。

「赤字販売で工事が中止」だけは避けたい

 その例を挙げると、ある開発業者が販売しているマンション“緑州花園”では、1平方メートル当たりの価格は、内装なしが4600元(約6万9000円)、内装込みが5700元(約8万5500円)となっていたが、これは同等レベルのマンション価格よりも1平方メートル当たり1000元(約1万5000円)以上安く、南京市江寧区物価部門の認定価格よりも35%も低いものであった。

 一方、江寧区の中心部にある高級マンション“雅居楽”の販売価格は、本来は1平方メートル当たり1万3000元(約19万5000円)だったものが、1万1000元(約16万5000円)と2000元の値下げとなっていた。

 周局長の計算によれば、“緑州花園”の土地使用権料は1平方メートル当たり2800~3200元(約4万2000~4万8000円)であり、これに建設費、管理費、宣伝費などの経費を加えて計算すると、原価の合計は1平方メートル当たり5500元(約8万2500円)前後となる。これを内装なしの4600元で販売すれば、1平方メートル当たり1000元(約1万5000円)近い赤字を出すことにならざるを得ない。

 赤字販売の結果として開発業者の経営が悪化し、建築中である“緑州花園”が完成を見ぬまま放置されるようなことになっては一大事というのが、周局長の意図であった。

過去の成功例が、発言の裏づけ

 江寧区“房産管理局”がマンション価格に干渉したのは今回が初めてではなかった。

 2004年にも供給過多によりマンション価格が値崩れを起こし、1平方メートル当たり3000元(約4万5000円)台に低落する危機に瀕したことがあったが、“房産管理局”が10社近い開発業者にマンションの供給量を調整するよう要求して、価格を4000元(約6万円)台に止めることに成功したのであった。従い、周局長は今回の発言がかつての経験に基づく妥当なものだと確信していたのだった。

お馴染み“人肉検索”がスタート

 周局長の発言がメディアを通じて報道された翌日の11日、インターネットの掲示板“凱迪社区”に“宣伝寄生6”というハンドルネームの人物が、マンションの値下げはけしからんと取り締まるとは何事かと、「英雄(周久耕)について書き込みをしよう、南京市江寧区房産管理局局長の周久耕の人的情報を追究しよう」と“人肉検索”(=ネット仲間が協力して捜査を行い、個人情報などをネット上に暴露すること)のスレッドを立ち上げた。

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「“人肉検索”が暴き出した 「あの役人、キャデラックを乗り回してます」」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官