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中国は大丈夫か[67]デモ、スト、人材難~「世界の工場」に危険信号(1)

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2009年3月12日(木)

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 2月25日、北京市にあるパナソニックの現地法人で、社長ら幹部が数時間にわたって多数の従業員に取り囲まれる騒ぎが起こった。原因は、会社側が提示したリストラ案への不満。現地社員の実力行使による暴力沙汰は、2005年に「反日デモ」が頻発した際にも大きな問題となった。

* * *

2005年7月11日号より

 経済の先行きに不透明感が漂い始めた中国で不穏な動きが続発している。反日を叫ぶデモ、賃上げに不満をぶつけるスト、大失業時代の人材難…。いびつな経済発展の問題は、人民元切り上げの是非に集約されがちだが、それに先行して、国内で大きなうねりを形成しているのが「人」の問題だ。

(香港支局 谷口 徹也)

 「政府を信じろ、企業を信じろ、自分を信じろ」。工場のすぐ前の道には、従業員に過激な行動の自制を求める横断幕(下の写真)が何枚もかかったままになっていた。これを作ったのは工場ではなく、公安局などの地元政府である。従業員1万7000人の巨大工場、ユニデン深セン工場で発生した3日間のストライキ騒動が地域社会にもたらした激震は、数日たっても余韻を残していた。

労働側が経営者つるし上げ

 ストの最中、工場内の社長室には公安局など地元政府関係者が詰めかけ、最も多い時には40~50人に膨れ上がった。今年、中国法人の社長に就任した松岡好則氏は、平静を取り戻したこの社長室で、騒動の顛末を語ってくれた。「原因を突き詰めれば、私たちの内部管理のまずさ、これに尽きる」。

 ストが発生したのは4月18~20日。翌21日はあらかじめ決まっていた計画停電日だったので、連続して4日間、工場は止まった。従業員側との交渉が合意に至ったのは21日で、10項目に上る要求を会社側が了承した。しかし、わだかまりは残り、ほぼ通常の生産体制に戻ったのは、スト発生から1週間後の25日だった。

 騒動の発端は、従業員側が4月上旬に提出した給与改定と労働組合設立に関する要求である。この要求について会社側が検討し、労働者側と交渉を重ねる間に問題がこじれた。なぜ、ストに至るほど問題が深刻化したのか。その背景を知るには、さらに4カ月前まで話をさかのぼらなければならない。

 2004年12月、この工場では4日間にわたる1回目のストが起こっていた。従業員の代表を名乗る者たちが突然、労働組合の設立など23項目の要求を突きつけ、間もなく従業員はストに突入した。個別の話し合いではらちが明かず、12月14日には会社側が団体交渉に引っ張り出された。

 場所は工場内のバスケットボール場。数百人の従業員が見守る中、区の労働局長などが立会人として同席する物々しい交渉となった。会社側代表として従業員の非難を正面から受けて立ったのは、当時の日本人社長である。何しろ多勢に無勢だ。「団交というよりつるし上げ。要求をのむまで壇上から降ろしてもらえない雰囲気だった」。当時、工場幹部の1人として参加していた松岡社長はこう振り返る。

労働局も腰が引けた「グレーな合意」

 団交は朝10時から夜11時まで続き、最後は会社側が大幅に折れて妥結した。2005年7月までに労働組合設立を認めることを確約したほか、工場が支給している食事代の自己負担分を1日当たり122円から16円まで下げるなど福利厚生の充実を約束した。

 いかに一方的に会社側が折れてしまったか。それはこの時、労使で交わされた合意書に所轄当局である労働局が判を押さなかったことに象徴される。任意の契約としては成立しているが、当局がお墨付きを与えたと取られるのはまずいと判断したわけだ。

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