• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中国は大丈夫か[69]中国人はカネのことしか頭にないのか?~「世界の工場」に危険信号(3)

  • 日経ビジネス

バックナンバー

2009年3月16日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2月25日、北京市にあるパナソニックの現地法人で、社長ら幹部が数時間にわたって多数の従業員に取り囲まれる騒ぎが起こった。原因は、会社側が提示したリストラ案への不満。現地社員の実力行使による暴力沙汰は、2005年に「反日デモ」が頻発した際にも大きな問題となった。

* * *

2005年7月11日号より

 経済の先行きに不透明感が漂い始めた中国で不穏な動きが続発している。反日を叫ぶデモ、賃上げに不満をぶつけるスト、大失業時代の人材難…。いびつな経済発展の問題は、人民元切り上げの是非に集約されがちだが、それに先行して、国内で大きなうねりを形成しているのが「人」の問題だ。

(香港支局 谷口 徹也)

 「日系企業の多くは『求職者から選ばれている感覚』がない。これが人材確保に苦労する大きな原因だろう」。上海を中心に人材コンサルタントや人材紹介を手がけるクイック・マイツ人材紹介部の小園英昭部長は言う。

30分間の面接時間で質問は1分間だけ

 紹介した人材を、日系企業の人事担当者などが面接する場面に立ち会うとおおむねこんな具合だと言う。例えば30分間の面接時間があった場合、29分間は面接官が求職者に対してひたすら質問をして、最後の1分間でようやく求職者に質問の機会を与える。

 小園部長は言う。「どんな事業計画を持っているのか、入社したらどんなキャリアを積めるのかといった説明に時間を割く企業は少ない。求職者は選ぶ材料が給料しかないからそれを見て会社を決めているのに、企業側は『中国人はカネのことしか頭にない』と思う。これは双方に不幸なことだ」。

 評価制度や専門性を重視した複線人事などが普及してきたとはいえ、欧米企業に比べれば日本企業の雇用契約に対する感覚は曖昧だ。これは中国の現地法人でも当てはまる。まずは採用して働かせ、人柄が良くて実績を上げていれば、ずっと働いてもらいたいと思う。半面、特別なことがない限り、社員もそれを希望していると思い込みがちだ。

 しかし、中国人には終身雇用の意識はない。会社とは生活の糧を得る場であると同時に、自己実現、自己研鑚の場である。極端に言えば、会社を踏み台にして自分の価値を高め、いかに高い給料や権限、地位を得るかに重きを置いている。個人主義で愛社精神が希薄だと嘆くことはたやすいが、これが現実である。

 むしろ、会社側もこの意識を利用するくらいのつもりで望む方が得策だ。社員を育てて能力を上げ、昇給や昇格で報いれば、結果として有能な人材を長く使い続けることができ、人材への投資も回収できるからだ。

カネで釣ったらカネで逃げる

 「カネで釣った人材はカネで逃げる」。これは中国で活動する人材コンサルタントや人事担当者が共通して挙げる経験則である。高い給与が入社動機なら、それ以上の金額を提示する別の企業に転職するのも抵抗は少ない。企業は人材を補充するためにさらにカネを積む。日系企業が人材難に悩む裏には、こんな悪循環がある。

中国で人材確保に成功する3つのポイント

 サントリー中国が毎年実施している社員調査によると、会社への希望のトップは給与ではなく常に「研修の充実」である。会社側もそれに応えようと研修プログラムを年々増やしている。営業マンの場合は毎年6回、週末を使って2日間の研修会を実施する。手法論など教科書的なものから、ベテラン営業マンの経験談まで内容は多岐にわたり、新設してほしい講座内容も社員から希望を取っている。

 中国事業が長く、現地に根づいた会社だからできると見る向きもあるだろう。しかし、人材コンサルティング会社、上海創価コンサルティングの金鋭副社長は、比較的、人材の採用や活用に成功している欧米企業と、苦しんでいる日系企業の間には、根本的な違いがあると見る。

コメント0

「日経ビジネスが描いた日本経済の40年」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック