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中国は大丈夫か[72]高松発、北京の“古紙王”~サービスで中国を攻める(3)

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2009年3月19日(木)

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 経済危機で世界的に消費が低迷する中、需要創造の中心地として期待がかかるのが中国だ。その市場獲得は容易でないものの、サービスの繊細さなど日本企業が持つ特質が武器になることがある。

* * *

2008年1月21日号より

 日本発のサービス業が中国市場で浸透しつつある。時に安さ、時にキメ細やかさを突破口に、未開の市場を独走する。目の肥えた消費者に鍛えられ、デフレの荒波にも生き残ってきた、「日本モデル」を中国で生かさない手はない。

(香港支局 熊野 信一郎)

 「中国なんてまだ早い」

 「絶対に失敗するぞ」

 松本寿一会長の頭の中には、同業者から投げかけられた言葉が今でも残っている。7年前、経営する松本光春商店が中国進出を目指し北京に事務所を構えた時、周りの反応は極めて冷ややかだった。

日本超え、香港上場も視野に

 松本光春商店は古紙リサイクルを本業とする会社だ。高松市に本社を置き、松本会長は2代目。企業や家庭から出た古紙を買い取り、段ボールや新聞紙など種類ごとに分別、ブロック状にプレス加工して製紙会社へ売る。

 同業者から冷やかされたのも無理はない。この業界は国内だけで商売する中堅・中小企業が大半を占める。松本光春商店は業界大手の1社だが、単身中国に飛び込んでゼロから商売を始めることは、当時の業界の感覚からすれば無謀な挑戦でしかなかった。

 それでも松本会長は決断した。

 「段ボールをバラ積みしたトラックが走る姿は、昭和40年代の日本と同じ。我々が必要になる時代は迫っている。理屈じゃなく、これは勘だ」

 松本光春商店は現在、北京に7つのプレス工場を持つ。地元の回収業者から古紙を仕入れ、加工後に中国の中堅・大手製紙会社に納めている。

 2007年9月期の売上高約130億円のうち約40億円を中国で稼ぐ。松本会長は「中国事業の規模はあと数年で日本を超える。香港市場への株式上場も果たしたい」とさらなる成長を目指す。

 資本金1000万円の地方企業の「チャイナドリーム」。その立ち上がりは苦労の連続だった。

中国初となった古紙のプレス機

 現地法人の設立は2003年。当時は古紙リサイクルという業種の前例がなく、認可がなかなか下りなかった。事務所を構えてから現地法人を立ち上げるまで、丸2年を要した。

 最初の工場の場所に選んだのは、北京東部の通州。今でこそ高速道路や地下鉄が延び、新しいマンションが次々に建設されている新興開発地帯だが、当時は周りに畑しかなかった。そこに1台の古紙のプレス機を導入した。今も現役のこの機械こそ、中国に初めて持ち込まれた古紙のプレス機である。

 工場が完成しても、古紙を仕入れなければ始まらない。中国にはそもそも、松本光春商店のような古紙リサイクル業者は存在しなかった。各地区の回収センターに集まる古紙を、回収業者が製紙会社へ直接納入していた。

 「川の流れをせき止め、別の流れを作るような作業だった」

 中国事業の準備段階から陣頭指揮してきた、現地法人の松本浩志総経理はそう振り返る。松本会長の次男だ。

 古紙回収業者にコネもなければ知り合いもいない。唯一できるのは、古紙の回収業者に、新しい流通の仕組みとメリットを説いて回ることだった。

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