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中国は大丈夫か[73]一気に15%も値切られる~それでも中国で作りますか?(1)

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2009年3月23日(月)

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 中国は輸出大国への道を突き進んだ。今では日本企業の海外生産拠点として欠かせない存在になった感がある。しかし、その一方で勝者と敗者を分ける生き残り競争も予想を超えて激しくなっている。一方で新たな問題も出てきた。中国が抱える貿易摩擦や投資バブル、財政赤字、環境汚染などだ。

* * *

2006年1月23日号より

 工場立地の最大の魅力だった「半永久的な低労賃」は年率20~40%も上昇。電力不足やスト騒動も頻発し、外資系企業への優遇政策も先細る公算が大きい。台頭する台湾、香港、中国系メーカーも日系メーカーを突き上げる。中国の輸出の約4割を実質的に担う広東省で、日系メーカーが直面している「世界の工場」の真実の姿と、その中で勝ち組に名を連ねるための条件を探る。

(香港支局 谷口 徹也)

 売上高は2002年のピーク時に比べて約3割減った。黒字が続いていた収益も、2005年の決算では赤字すれすれになりそうな雲行きだ。広東省深セン市に主力工場を持って12年になるコイルメーカー、川西電器の西尚喜社長は「製品価格の下落とコスト増。とにかく収支を合わせるための環境が今までになく悪化している」と険しい表情をのぞかせる。

赤字受注が収益を圧迫しかねない

 ただし売り上げが減ったのは、安定経営を志向する西社長の哲学による判断でもある。注文を取ろうと思えばいくらでもあるのだが、価格下落が激しいから、やみくもにかき集めると赤字受注が全体の収益を圧迫しかねない。「(黒字受注が勝ち、赤字受注が負けとすると)他社が8勝7敗まで勝負するところをうちは無理せず4勝3敗でいく」と西社長は話す。

 日本法人の社長でもある西社長は、中国事業が拡大してきた1994年に中国工場を統括する香港法人のトップを兼務し、以来、社長兼工場長として陣頭指揮を執っている。事業環境の悪化とともにピークに800人を超していた従業員は、400人に減らした。あまり大量の人員を確保しておくと環境変化へのリスクが高まるという判断だ。

 その背景には、同社の場合で1年間で3割も上がった1人当たりの労務費の問題がある。

 この地域で末端のワーカーに適用される法定最低賃金は2005年に20%ほど上がった。加えて労務費の数割を占める残業代部分が60%も上がったのが痛かった。休日の時給単価も今までは平日の水準で問題なかったのが、労働局の目が厳しくなって法定通り平日の100%増しとなり、その対象となる休日も、7月に隔週休2日、今は週休2日へと拡大された。

 これが中国の本来の法律だった、と言ってしまえばそれまでだが、法定賃金をどれだけ忠実に反映させるかは地元政府と企業の間で取り決めてきたのが現実であり、「このコスト構造が利益の源泉だったことは否定できない」と西社長は打ち明ける。

工場移転の相談を受ける機会が増えた

 2005年は人件費だけでなく、原油価格の急騰に象徴されるように原材料費も軒並み上昇した。同社の工場では地域の電力不足によって毎週3日間の停電がある。停電時は自家発電で電力を賄うが、燃料費も上がっているので電力単価は電力会社からの供給分より5割ほど高い。

 価格下落の背景にあるのは、台湾系メーカーの追い上げだ。川西電器が主力としているCDやDVDなど光ディスク駆動装置用の光ピックアップ部品に有力な台湾メーカーが参入してきた。価格競争を避け、光ディスクの市場を脅かすハードディスク向け部品への展開も考えられるものの、より高い技術が求められるし、新たな設備投資もかかる。

 日本の中小企業としては大型投資のリスクは避けたいところ。一方、台湾系企業は投資はできても越えなければならない技術のハードルが日系に比べて高い。事情は違っても同じ「壁」の前でダンゴ状態になっている。「常に一歩先を行っている自負はあるが、完全に台湾系を振り切るのは難しい。ホームランは無理。既存分野の中で付加価値の高い製品分野や新製品でシングルヒットを積み重ねながら乗り切るつもりだ」と西社長は話す。

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